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新日鉄都市開発 3畳大の「ユトリエ」いいアイデア


「リビオ北千住」完成予想図

 新日鉄都市開発が従来の3LDKの間取りに3畳大の自由空間を加える新規格「ユトリエ」を開発し、第一弾の「リビオ北千住」へ導入したので見学した。モデルルームでは「イケア」がコーディネートした2つのサンプルが公開されているが、様々な用途にも使えるものでなかなかいいアイデアだ。

 物件は、東京メトロ日比谷線・千代田線・半蔵門線・JR常磐線・つくばエクスプレス・東武伊勢崎線北千住駅から徒歩19分、またはバス5分徒歩1分、足立区千住元町に位置する11階建て全184戸。専有面積は67.98〜95.84u、価格は2,400万円台〜4,200万円台(最多価格帯2,900万円台)、坪単価131万円。施工は長谷工コーポレーション。竣工予定は平成26年2月下旬。1期80戸が9月24日に分譲され、57戸に申し込みが入った。

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 「ユトリエ」は、「ゆとり」+「アトリエ(創造空間)」の意味を込めた造語で、ほぼ正方形の3畳大の空間を確保して、リビングやキッチン、洗面室、居室などとの間続きの空間として書斎、収納、家事スペースなど多用な用途に利用できるもの。

 最近の首都圏マンションは専有面積圧縮傾向にある一方で、消費者の広さや可変性に対するニーズが強まってきていることに対応するもの。今回の「北千住」をはじめ、これから供給する「潮見」(98戸)「松戸」(151戸)「幕張本郷」(185戸)などに導入する。


ワードローブ

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 モデルルームとして公開されているのは、ストックルームとワードローブの2種類で、費用は約15万円。このほかペットルーム、趣味室、仏壇スペース、トレーニングルールなどにも利用できるよう提案している。

 販売を担当している長谷工アーベスト受託販売第一部門販売三部販売第2チームマネージャー・黒須祐亮氏は「お客さまからは『これで自分の書斎が持てる』とご主人にも好評で、皆さん平均77uという広さと価格については満足していただいている。ただ、やはり駅からの距離が決断を先延ばしされている理由になっている。同じ沿線の『松原団地』との競合は想定していたが、『三郷中央』とも競合するのは意外だった」と話した。

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 黒須氏は1期としてはもう少し申し込みが入ると期待していたようだが、これぐらいではないか。バス便も豊富で遅延もそれほどないというから、「北千住」の地の利を訴え切れればコンスタントに売れていくのではないか。ただ、「松原団地」は駅すぐで坪単価が140万円を割っているので強敵になるだろうし、同じ沿線では「草加」でも分譲されるので競合は避けられない。

 「ユトリエ」はネーミングもいい。いま人気の「ヒカリエ」を連想させるし、わが国でも人気が高い近代フランスの画家・ユトリロも想起させる。施工現場は対応に大変だろうが、専有面積の圧縮を図りながらなおかつ多目的スペースを確保する工夫に期待したい。

   
ストックルーム                                 書斎

東武鉄道 新ブランド第一号「ソライエ草加松原」(8/30)

(牧田 司記者 2012年9月28日)