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東武鉄道の新ブランドマンション第一号

「ソライエ草加松原」は坪138万円


「ソライエ草加松原」完成予想図

 東武鉄道が9月3日から販売開始する新ブランド「ソライエ」マンションの「ソライエ草加松原」を見学した。東武伊勢崎線松原団地駅から徒歩3分の3,100万円台中心の買いやすいマンションだ。

 物件は、東武伊勢崎線(愛称:東武スカイツリーライン)松原団地駅から徒歩3分、 草加市松原一丁目に位置する12階建て全255戸の規模。専有面積は70.91〜97.48u、1期(100戸)の価格は2,940万〜4,490万円(最多価格帯3,100万円台)、坪単価は138万円。竣工予定は2013年11月下旬。設計・施工は長谷工コーポレーション。販売代理は長谷工アーベスト、媒介は東武プロパティーズ。

 現地は、 UR 都市機構の団地再生事業が進行中のエリア一角だ。用地は同社が初めて入札によって落札したように、新ブランド名「ソライエ」の第一弾にこの物件を選んだ意気込みが込められている。テーマは「ここちいい未来の空間」。「 Community (人とのつながり)」「 Comfort (ここちいい空間づくり)」「 Safty (安心・安全)」の 3 つの想いが込められている。

 商品企画としては、平均専有面積が78.8uと広めで、プランやカラーリング、設備仕様が選べる「E-label (エラベル)」システムが採用されていることだ。

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 分譲単価はかなり割安感がある。同沿線のマンションは他の沿線と比べ総じて単価水準は低いが、松原団地駅は各駅停車駅とはいえ徒歩3分で138万円はいかにも安い。東京、大手町、池袋などが30分圏で、六本木へも1時間圏内だ。高架化が進み、複々線が実現しているので電車の遅延も少ない。

 これまで約300件の反響があり、1期分譲として100戸も供給できるのも、ユーザーも安いと感じているからではないか。

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 取材の目的は東武の新ブランドがどのような商品企画であるかを見るためだった。しかし、それは肩透かしを食った。長谷工マンションそのものだったからだ。長谷工マンションが悪いと言っているのではない。せっかく新ブランドの第一弾とするのであれば「これが東武のマンション」というものを一つでも二つでもいいから盛り込んでほしかった。

 それらしきものは、ゲストルームのプロデュースを「銀座東武ホテル」が担当し、バイオマスなどの自然エネルギーにより発電された電力「グリーン電力」を 1戸当たり年間8,000kwh供給することぐらいだった。イニシャルコストを下げるためか、ガス給湯器はリースで、1戸当たり月額2,100円徴収するというもの特徴といえば特徴だろうが、これはあまりにも悲しすぎる。

 他社にはない「東武らしさ」を盛り込んでこそ「東武ファン」を増やすことではないか。かつて東武は「せんげん台」や「ふじみ野」などで立派な街をつくってきた。「せんげん台」の街開きマンション見学会には東武特急をわざわざ停車させた。本気で取り組めばどこのデベロッパーにも負けないものがつくれるはずだ。

 もう一つ、同社には検討してほしいことがある。東武伊勢崎線は東京スカイツリータウンの開業とともに愛称として「東武スカイツリーライン」と呼ばれるようになったが、地元住民からは「松原団地駅という名称を獨協大学前にしてほしい。イメージが随分変わるはず」という声を聞いた。獨協大学にも異論はないのではないか。駅名には命名権ビジネスは成立しないのだろうか。

(牧田 司記者 2012年8月30日)