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マンション第三者管理方式 ルール定めて導入する方向 国交省


「マンションの新たな管理ルールに関する検討会」

 国土交通省は6月19日、第6回「マンションの新たな管理ルールに関する検討会」を開き、中心議題になっている第三者管理方式については、現行の実態を明確化するためにも一定のルールを定めて認める方向性を示した。本日の会合で指摘された問題点などを整理したうえ、標準管理規約、指針の具体的改正案としてまとめる。また、反社会的勢力の排除について、専有部分の用途、貸与、譲渡に関する条文の見直しを盛り込む案が提示された。

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 第三者管理方式の採用の是非をめぐって激しい論議が交わされてきたが、落ち着くべきところで決着をみたようだ。外部の個人や法人の専門家が理事会に役員に就任する場合は、その専門性を担保するルールを定め、支援業務をチェックする機能を持たせる。利益相反を排除することに関しても理事会の承認を求めるなど手続きを厳しくする。組合財産の毀損など事故防止や派遣された役員のミスによる損害なども業務の明確化や補償方法を整備する。

 外部の専門家が訴訟専従者として管理者になる場合には、管理者の権利・義務の分離を行い、その権限の範囲内で複数の管理者が役割を分担する方向性が示された。

 管理機能不全≠起こし理事会が存在しないような組合の管理者に専門家が就任する場合は、区分所有者の中からチェック役を選任したり、中立性の高いモニタリングシステムを整備して対応することなどが盛り込まれそうだ。

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 記者は今回の会合を含めすべて6回の会合を傍聴したが、これまで第三者管理の採用を強く主張し、時には慎重派に対する挑発的な発言を繰り返してきた安藤至大委員(日大大学院総合科学研究科准教授)が欠席されたのには肩透かしを食ったようで残念だ。第三者管理方式の採用には様々なルール・制約が課されるのには安藤委員は納得できないだろうが、解釈によっては全面的な第三者管理方式の採用に道を開いたとも取れる。

 いろいろメニューが示されることで、選択権は管理組合、区分所有者に委ねられることになる。記者は、第三者にマンションの管理、業務の委託をしなくても済むような主体的な組合運営を望むばかりだ。


左から吉田委員、福井座長、村辻委員

国交省 マンション「第三者管理」規約で認める方向へ(5/23)

(牧田 司記者 2012年6月19日)