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街路樹が泣いている 〜街と街路樹を考える〜  D

丸坊主にされていた三鷹市牟礼のケヤキ


左が無惨な三鷹市のケヤキ、その右は「三鷹病院」の敷地内のクスノキか、右2本はセンダン

 無残にぶった切られている街路樹を見るのは慣れっこにはなっているが、昨日(5月14日)見た三鷹市牟礼のケヤキは丸坊主にされていた。よくもこんなに切ったものだとあきれ返った。強剪定の理由を聞いたところで、「見通しが悪い」「歩行に支障をきたしている」「苦情があった」ぐらいしか返ってこないだろうから聞かなかったが、植木屋さんも泣き泣き切ったのではないか。

 そのケヤキと対照的に、「三鷹病院」の敷地内には見事な樹形のセンダンの高木が2本佇立していた。「さすが、命を預かる病院の樹木は育て方が違う」と感動もした。病院に聞いたら「電線に引っかかるから大変な思いもしています。植木屋さんから『切りましようか』といわれますが、『いえ、きらないで下さい』といってます」とのことだった。

◇    ◆    ◇

 感動といえば、昨日見学した「コーシャハイム久我山」の近くの都道か世田谷区道、あるいは杉並区道かは分からないが、樹齢が数十年と思われるソメイヨシノの街路樹は見事だった。ソメイヨシノが植わっているところの歩道はフットパスのようにカーブしていた。

 さらにその近くには、「生けがき道づくりモデル事業」のプレートが付いている長さ約90メートルの生け垣が整備されていた。杉並区が今後の緑化事業の参考にするために平成21年度から23年度まで3年の期限を決めて取り組んできたものの一つだった。3年間の総事業費は1,021万円で、4カ所で合計248メートルの生け垣を整備した。区は今後の緑化事業に生かしていくという。

 世田谷区も杉並区も住宅地として人気が高いところが多いが、緑化事業でも都内では先進的な取り組みをしている区としても知られている。いま流行の樹木の名札付けも世田谷区がもっとも早かった。


サクラを避けるようにカーブしている歩道(右が道路)

  
右が杉並区の補助事業「生けがき道づくり」によって整備された生垣。右は岩崎通信機の「岩通ガーデン」(同社は社会貢献活動の一つとして武蔵野の原生林が残る庭園を一般に開放している)

路樹が泣いている 〜街と街路樹を考える〜C(5/14)

(牧田 司記者 2012年5月15日)