「パレットコート六町　東京ココロシティ」

　ポラスグループの中央グリーン開発（中内景太良社長）は4月26日、東京23区最大級206区画のビッグプロジェクト「パレットコート六町 東京ココロシティ」の記者発表・見学会を行った。モデルハウスは環境性能評価システム「CASBEE 戸建」の最高評価「Ｓランク」を取得しており、街づくり全体は都内初の「足立区防犯設計タウン」に認定されている。

　物件は、つくばエクスプレス六町駅から徒歩17分（バス10分）、足立区東六月町に位置する全206区画の規模。5月に分譲する1期17戸の土地面積は87.50〜139.19�u、建物面積は82.59〜107.37�u、価格は未定だが、3,000万円台の半ばから4,000万円台の半ばになる模様だ。

　「足立区防犯設計タウン」制度は、同区が治安対策の一つとして取り組んでいるもので、認定されると警察などと連携したパトロールの強化や街の防犯点検、防犯カメラの設置支援などののサポートが受けられる。

　認定にあたっては、街路を車のスピードが出にくい緩やかなカーブを描くように計画し、フットパス、クルドサックなども随所に設置している。街の中央にはランドマークツリーとして桂の大木を植え、街路樹はアメリカフウに統一し美しい街並みを形成する。また、コミュニティ形成を支援する取り組みの一つとして管理組合を設置し、コミュニティサイトも立ち上げる。防災備蓄倉庫も設置する。

　住戸プランでは、街区ごとにシンボルツリーを植え、手作りのアイアンクラフト、アイアンフラッグなどを設置することで街なみの統一感や潤いを演出する。

　住戸の基本性能・居住性能では、天井高を2.7メートル確保し、可変間取り、15段階段、2.1メートルハイサッシを採用しているほか、スッキリニッチ、マガジンラック、カウンター付き玄関収納、 R形状巾木などきめ細かな工夫も凝らしている。

シンボルツリーとして植えられた桂（値段は100万円近くするそうだ。成長すれば30メートルにはなる）

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　同社が「西新井で大規模な戸建」を分譲するというのは以前から聞いていた。記者は徒歩圏なら5,000万円の前半に抑えれば売れるかもしれないと思っていた。ただ、戸数が多いので、「足立区」のポテンシャルを考えると、販売は楽ではないだろうとも思っていた。

　今回、案内されたのは「西新井」ではなく「六町」だった。「西新井」とは別の物件かと思ったが、どうやら「西新井駅」からは歩けないので、最寄駅である「六町」を物件のネーミングに採用したということが分かった。値段も納得の価格だった。「六町」から秋葉原に15分とはいえ、平均で5,000万円を超えるとなると、販売の長期化は避けられないだろう。

　おそらく、価格の中心は4,000万円台の半ばに落ち着くはずだし、このランドプラン、住戸プランなら月間20〜30区画は売れるはずだ。同社は2年がかりで販売する目標のようだが、施工体制が整えば1年ぐらいで完売するかもしれない。先日見学した「戸田」もそうだが、商品企画がしっかりしているから、年間約1,800戸も販売できるのだろう。

　「CASBEE 戸建」の「Ｓランク」を取得していることを同社はニュースリリースに盛り込んでいないし、パンフレットにも詳細な記載がない。これは、同社としては当たり前の取り組みと理解しているからかもしれないが、分譲戸建てとして都内で2010年版CASBEEのＳランクを取得したのは先の三井不動産レジデンシャルの「田無」しかない。これまで首都圏では10物件ぐらいしかないはずだ。

　考えてみれば、CASBEEは制度を設けることによって住宅の質を向上させようというのが狙いだ。同社のようにＳランクを取得したことが謳い文句にならないようにするのが理想だ。それにしても「足立区防犯設計タウン」と秤にかけたら絶対Ｓランクのほうが価値があると記者は考えるがどうだろう。「防犯タウン」認定制度は、それだけ足立区の防犯が良くないことを告知するようなものではないか。

　街路樹についても一言。最近、街路樹の取材を進めているが、先日、見学した江戸川区・船堀を除き、船橋も行徳も最低だった。六町駅周辺も貧弱だった。同社が植えるアメリカフウは高さが15〜20メートルに成長するはずで、素晴らしい景観が形成されるのは間違いない。区が誇れる街路樹になるかもしれない。

　　
エントランス周り　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　街路樹のアメリカフウ

　　　　
モデルハウス（左は多目的に利用できそうなリビングに隣接した3畳大の和室。右は踊り場まで約1.5メートルの巾がある階段）

三井不レジ　CASBEE戸建Sランク取得の「田無」(4/3)