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人と環境にやさしい旭化成ホームズ「アトラス志村三丁目」


「アトラス志村三丁目」完成予想図


  旭化成ホームズは2月28日、同社の技術研究開発施設として使用していた志村試験場の跡地に建設中のマンション「アトラス志村三丁目」の販売開始に関する発表会を行った。

 物件は、都営三田線志村三丁目駅から徒歩6分、板橋区相生町に位置する12階建て全184戸の規模。専有面積は56.51u〜90.83u、1期(50戸)の価格は2,988万〜5,698万円(最多価格帯4,200万円台)、坪単価は180〜190万円。入居予定は平成24年3月下旬。設計・監理はNEXT ARCHITECT&ASSOCIATES。施工は東急建設。 1期の登録は3月5日(土)〜3月13日(日)16時まで。

 コンセプトは「子育て家族がずっと住み続けたいと思うマンション」。このコンセプトを実現するために同社の研究機関「くらしノベーション研究所」が専有部分の住戸設計に参画しているのが大きな特徴だ。子育て期の家族の生活を「家事」「子育て」「家族それぞれの自立」という側面から総合的に支援し、家族間のコミュニケーションを深める生活提案「+N ES T ( プラスネスト)」を盛り込んでいる。親子が一緒に調理できるペニンシュラキッチン、子どもが自分のものを管理できるよう工夫した家族ロッカー、屋内で洗濯物が干せる室内物干しなどを提案している。

 基本性能・居住性能としては、同社初の免震構造を採用したほか、オール電化、約1,200uの池付き中庭、屋上の菜園スペース「ソラファーム」、屋上緑化・壁面緑化、太陽光発電、エコカーの導入など。


「+NEST」の提案

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 敷地南側に首都高速が走っているのが難点ではあるが、「くらしノベーション研究所」の関係者は、「サンシティとの緑をつなぎ、商品企画でも負けないものを創った」と語っているように、同社の今後のマンション事業の方向性を示した意欲的なマンションだ。

 「サンシティ」とは、三井不動産が30年ぐらい前に分譲した全14棟1872戸の大規模マンションのことで、首都高速を挟んで南側にある。「サンシティ」ももともとは旭化成の工場跡地だった。

 何が意欲的かといえば、同社のマンションの敷地北側に建つ13階建てのマンション居住者とのプライバシーを配慮して、ほとんど全ての北側居室に面したルーフバルコニーの外に「エレガンテシマ」を植え、双方のマンションの目隠しにしていることだ。隣接するマンション管理組合からの要望によって植栽したものだが、記者はこれまでこのようなものをほとんど見たことがない。関係者は「当社はハウスメーカー。自社の分譲マンションを買っていただくのもお客さま、周辺のマンションや戸建てに住んでいらっしゃる方もお客さま。近所とも仲良く付き合っていきたい」と語った。


販売事務所に設置されている模型(「女性と一緒。後姿が美しいのが美しいマンションだ」とはある建築家の名言)

 このほか、これまで記者がずっと標準装備することを提案してきた室内物干しやマグネットつきのホワイトボードなども設置されている。確認はしていないが、ほとんどの住戸には花台もついている。

 1月のモデルルームオープン以来約 400 組の来場があるそうで、「来場者の方からは『こんなものが欲しかった』という声を頂いている」という。

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 このような人に優しい、環境に優しい取り組みこそがデベロッパーに求められている。目隠しの植栽には維持管理を含めれば億単位のコストがかかっているはすだが、それは自社と隣接のマンションの価値を高め、同社の企業価値を高めることになる。利益を生む源泉にもなるはずだ。


中庭夜景(完成予想図)

洗濯物干しについては子育て支援 新日鉄都市他「ザ・ミッドランドアベニュー」(2/10)

(牧田 司 記者 2011年3月1日)