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伊藤忠都市開発「クレヴィア世田谷砧」

デザイン監修は元モリモトの杉原義法部長


「クレヴィア世田谷砧」完成予想図(環八通りに面した外観)

 伊藤忠都市開発が分譲中の「クレヴィア世田谷砧」を見学した。記事は、同社がニュースリリースを発表した時点で掲載しているのでそちらを参照していただきたい。見学の目的は、2つの異なる表情を持つこのマンションを実際にモデルルームと現地で確認したかったからだ。

 「2つの異なる表情」とは、環八通りに面している東側の外観と、第一種低層住居専用地域に面している西側の外観を全く異なるものにしていることを指す。

 東側の環八通りに面した外観は、様々な箇所に正方形のデザインを取り入れ、ガラス窓やタイルの種類を変えることによって幾何学的なシルエットを強調している。また建物の両サイドには、幻想的な光を放つルーバーを採用。夜間にはガラス窓とルーバー、そして歩道レベルでは歩行者よりもひとまわり大きなコニファーが整列し幻想的に浮かび上がるようにしている。

 また、環八通り側には住戸の窓を設けず、環八通りと住戸の玄関の間に内廊下を挟むことで遮音性に配慮しているのも特徴だ。

 さらに、プロダクトコンセプトに「L-style Facade〈エル・スタイル・ファサード〉」という発想を採用し、形・色彩・面状の異なる幾つもの『逆L』を巧みに組み合わせ、独創的なL型ファサードデザインを演出している。

◇    ◆    ◇

 前回の記事を書いたとき、同じような2つの異なる外観のマンション事例としてモリモトの「クレッセント船堀」があることは記事に書いた。

 記事を掲載してから、今回の物件でこのデザイン監修を担当したのはイクス・アーク都市設計の企画部長を務める杉原義法氏であることを関係者から知らされた。杉原氏とは、まさにモリモトが「クレッセント船堀」を分譲した当時の同社の企画部長を務めていたその人だった。杉原氏は企画部長として同社の「デザイナーズマンション」を牽引した人だ。

 モリモトが民事再生を申請して退職されたのは聞いていたが、新しい会社でこのようなデザインのマンションを手がけられ続けていたのを嬉しく思った。

 環八通りには面しているが、斬新なデザインマンションは通行人や運転する人の目を楽しませてくれるはずだ。

 これまで全38戸のうち20戸が成約済み。環八通りに面していることを考慮すれば、まずまずの売れ行きだ。坪単価は230万円。内廊下方式で玄関の床、キッチン天板は大理石で、ワイドスパンが特徴。

2つの異なる外観持つ伊藤忠「クレヴィア世田谷砧」(11/2)

(牧田 司記者 2011年11月29日)