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「分棟配置」を採用した丘の上の好物件

 パナホーム・トヨタホーム「ネスティア菊名桜山公園」


「ネスティア菊名桜山公園」完成予想図

 パナホーム(事業比率55%)とトヨタホーム(同45%)のJVマンション「ネスティア菊名桜山公園」を見学した。両社が共同でマンション事業に取り組むのは今回が初めてで、最近では珍しい「分棟配置」を採用した好物件だ。

 物件は、東急東横線・ JR 横浜線菊名駅から徒歩7分、横浜市港北区菊名三丁目に位置する6 階建て全67戸の規模。建物は「ヒルトッププレイス」(26戸)、「センターヒルズ」(21戸)「パークサイドテラス」(20戸)の分棟配置となっており、11月19日まで登録が受け付けられる1期50戸の専有面積は59.11〜81.27u、価格は3,370万円〜6,450万円(最多価格帯4,400万円台・5,500万円台)、坪単価は230万円。竣工予定は平成24年3月中旬〜9月下旬。設計・監理は千都建築設計事務所。施工は松井建設東京支店。販売代理は野村不動産アーバンネット。

 最大の特徴は、分棟配置だ。現地は、もっとも低い「パークサイドテラス」ともっとも高い「ヒルトッププレイス」の比高差が 2 層ぐらいある傾斜地で、傾斜地の建築物の規制が厳しいことが分棟配置を選択した第一の理由だが、それだけではない。

 分棟配置にすると、その分だけ壁面の量は増えるし、エレベータもこの程度の規模なら1基で十分だが、各棟に設置しなければならないから、この分でも3倍のコストがかかる。敢えて分棟配置を採用したことを、パナホーム首都圏環境開発支社都市開発営業部分譲マンションセンター所長・小林敦氏は「戸建てメーカーのポリシーとして居住性を最優先した。分棟配置にすることによって角住戸比率を75%にすることができたし、専有圧縮型の3LDKも作らなかった」と説明した。

 ほかでは、当然だが、パナソニックの IH クッキングヒーター付きシステムキッチン、エコナビ機能付きの食洗機などを標準装備。トヨタの設備では、電子錠を身につけていれば玄関ドアに近づくだけで解錠し、離れると自動的に施錠するスマートキーシステムを採用している。また、各棟の屋上には 5 kWの太陽光発電システムを搭載している。

 1期の分譲戸数の多さからして人気になるのは必至だ。単価もリーズナブルなものだ。

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 住宅情報誌を見たときからずっと見たいと思っていた物件だ。分棟配置のマンションを見るのは、最近ではセコムホームライフ「芦花公園」や伊藤忠都市開発他「THE CENTER HOUSE グランドステージ」(横浜市都筑区)以来だった。分棟配置がいかに居住性に優れているかは言うまでもない。

 見学の目的はもう一つ、パナホームのマンションはどのようなものかを確認するためだ。同社は首都圏でマンションを供給するようになって9年ぐらい経過するそうだが、1物件も見たことがない。これまで同社も事業主に名を連ねているJVの「若葉台」や「京王堀之内」「THE CENTER HOUSE グランドステージ」は見ているが、いずれも商品企画を主導したのは伊藤忠都市開発だ。同社単独の事業物件としては今回が初めて見る物件だ。

 デザイン、設備機器などば他のデベロッパーのマンションとそれほど差はないが、寸詰まりの間取りなどはないのはさすがだ。小林氏は「闇雲に戸数を増やす考えはないが、マンション事業は継続して伸ばしていきたい」と語った。

 同社は建て替えの「四谷」も来年早々に分譲するそうだし、幹事は親会社のパナソニックだが藤沢のスマートシティのビッグプロジェクトも控えている。

外構・植栽が素晴らしい セコムホームライフ「グローリオ蘆花公園」(1010/3/7)

どこにもない街 伊藤忠都市他「THE CENTER HOUSE」(2010/1/15)

(牧田 司記者 2011年11月17日)