RBA HOME> RBAタイムズHOME >2011年 >

全709戸の三菱地所レジデンス「ザ・パークハウス 追浜」

先行工区の278戸を分譲開始へ


「ザ・パークハウス 追浜」先行工区(完成予想図)

 三菱地所レジデンスは7月27日、京浜急行線追浜駅圏で開発を進めている大規模マンション「ザ・パークハウス 追浜」のプロジェクト説明会を現地で行った。

 物件は、京浜急行線追浜駅からエレベータータワーまで徒歩10分、横須賀市追浜東町2丁目に位置する開発面積約88,000uの全709戸(うち建築確認予定戸数431戸含む)の規模。今回分譲するのは先行工区の7階建て「パークフォート」119戸と7階建て「マウントサイドフォート」159戸の合計278戸。1期(戸数未定)の専有面積は72.45〜94.11u、予定価格は2,400万円台〜4,000万円台(最多価格帯2,700万円台)、坪単価は130万円前後。企画・建築設計・監理は安宅設計。開発土木施工・エレベータータワー施工はフジタ・大豊建設共同企業体、建築施工は三井住友建設。平成24年9月下旬。

 開発計画が持ち上がってから約20年、紆余曲折を経て同社が開発するもので、現地は20階建てマンションに相当する標高59mに立地。団地内に新たな道路を設け、4つの庭園と2つの提供公園、隣接する学校の正門なども整備する。道路とマンションは13人乗りエレベータ2基で結び利便性を高める。

 大規模マンションならではの充実した共用施設を備え、コミュニティ形成支援専門会社「有限会社セルフィッシュネス」がマンション内のコミュニティ形成をサポートする。また、オール電化、太陽光パネルの設置、カーシェアリング、雨水利用、屋上・壁面緑化、LED照明など環境への配慮を行い、かまどベンチやマンホールトイレ、投光機セット(ガスボンベ式自家発電)、非常用飲料水生成システムの採用など災害対策にも注力し、安心・安全な暮らしを提供するのが特徴。

 説明会で挨拶した同社瀬川修副社長は、「開発計画が持ち上がってから20年。ようやく当社が形にして提供できるようになった。震災を経て、家族の絆、安心・安全などの取り組みが一層大切になってきたが、『フォートンの杜』などで当社が取り組んできたコミュニティ支援も企画に盛り込んだ。次工区は平成24年6月以降に建築確認を取る予定だが、それまでに今回の工区を完売したい」と語った。

 また、コミュニティ支援についてセルフィッシュネス・鎌田菜穂子社長は「コミュニティが暮らしの安心・安全をはぐくんでいく。共用施設は使う人の目線で企画し、十人十色の入居者のニーズに応え、暮らしの安心・安全につなげていきたい。組合員全員加入の組織にして会費を月額500円徴収し、様々なイベントに使用するほか、コミュニティ支援の専門のスタッフ1人を雇い入れる」と話した。

  
エレベータ傾斜面                          共用棟外観

◇    ◆    ◇

 今回、同社が分譲するのは全709戸だが、近接地では総合地所と長谷工コーポレーションが全420戸の「ルネ追浜」の分譲を開始しており、双方で1,129戸にものぼるマンション分譲が本格化する。

 開発計画が持ち上がった20年前といえば、バブルが弾けたあたりだ。バブル崩壊後、市況が悪化し道路状況が悪いことから残土の搬出が難しかったことが開発を困難にしてきたようだ。所有権が転々とし、最終的には安宅設計が取得し、搬出のルートを確保したことで今回の開発にこぎつけた。地域の活性化への期待も大きい。

 バブル期なら分譲単価は250万円ぐらいしたはずで、それが130万円前後に収まるのだから約半値だ。単価の安さと共用施設の充実、設備仕様などを考えれば間違いなく売れるといいたいのだが、問題はやはり戸数の多さだ。1,000戸を超える規模のマンションが売れるのかという疑問もわく。常識的には年間200戸から300戸ぐらいの需要しか見込めないエリアだと思う。

 
イベント広場

◇    ◆    ◇

 記者は、双方には小さいパイを奪い合う、お互いの欠点、弱点をあげつらうような泥試合だけは避けてほしいと思う。多少の差はあるかもしれないが、たいした差ではない。総額にしたら100〜300万円の差ではないだろうか。高々これぐらいの差で思い悩むなとユーザーには言いたい。

 それよりも、土地代がただでも出来ないような単価でこれほどのレベルのマンションが取得できるということをユーザーにアピールして、相乗効果となるような競争をしてほしい。隣接する横浜市の金沢文庫や金沢八景などと比べれば坪単価にして30万円は安い。今日(28日)見学予定の東急不動産「ブランズ金沢八景」は坪単価188万円だ。

 一つだけ、今回の三菱地所レジデンスの物件で「さすが」と思ったプランを紹介する。今回分譲されるのは西側の富士山方向が望める「マウントサイドフォート」と、南側のセントラルガーデンと北側の八景島方面が望める「パークフォート」の2棟だが、「パークフォート」は北側の眺望を売りにするために2戸1∞3戸1<Gレベータを採用し、北側にもバルコニーを設置した「両面バルコニー」タイプを多く盛り込んでいることだ。エレベータは「マウントサイドフォート」が2カ所、「パークフォート」が5カ所と差があるのはそのためだ。

 コミュニティ支援もなるほどと思ったが、これについては機会を改めて書きたい。

     
瀬川氏                 鎌田氏

総合地所「ルネ追浜」 テーマは「フリスム(自由に住む)」(4/15)

(牧田 司 記者 2011年7月28日)