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資産性を重視する人にお勧め

住友不動産の「仙川」安藤忠雄マンション


「シティハウス仙川ステーションコート」完成予想図

 当欄で先に紹介した住友不動産のマンション「シティハウス仙川ステーションコート」を見学した。個人的にも推奨したいマンションのひとつだ。

 物件は、京王線仙川駅から徒歩2分、調布市仙川町三丁目に位置する9階建て全91戸の規模。専有面積は53.90(2LDK)〜73.42u(3LDK) 、価格は未定だが2LDKが5,000万円台から、3LDKが6,000万円台から。竣工予定は平成24年3月下旬。設計は安藤忠雄建築研究所。施工は奥村組。販売代理は住友不動産販売。販売開始は6月下旬。

 現地は、通称「安藤忠雄ストリート」と呼ばれている道路に面しており、敷地北側には甲州街道が走っている。交通量はかなり多いが、道路幅がかなりあり、開放感はある。建物は南北軸が長いコンクリート打ち放しの外観で、マリオンと乳白色のガラス手すりが印象的だ。

 特徴のひとつは、外廊下に面した住居の窓は、防犯あわせガラスと窓は最大でも8センチしか開かないロックがかかる防犯システムを採用することによって面格子をなくしていることだ。このようなものは、最近ではほとんど見たことがない。

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 もっとも興味がある価格についてだが、坪単価は300万円前後となりそうだ。仙川駅から徒歩2分の一般的なマンションなら、単価は300万円を超えることはまずない。せいぜい280万円がアッパーだろう。しかし、このマンションは、安藤忠雄建築研究所が手がけた分譲マンションとしては2棟しかないうちのひとつだ。もうひとつは、平成16年に竣工した住友不動産の「シティハウス仙川」(全65戸)だ。

 つまり、現段階では安藤氏が設計した分譲マンションはわが国(海外も含めてだと思うが)でこのマンションしかないということだ。そのブランド力を考慮すれば記者は坪300万円を突破しても全然驚かない。

 はっきり言えば、「シティハウス仙川」も今回の物件も設備仕様は、京王線の物件としては目だって高いほうではない。ターゲットをアッパーミドルにし、もう少しグレードを上げて販売することも可能だったのかもしれないが、これはなんともいえない。

 結果的には、親の援助など少し無理をすれば一般ユーザに手が届く価格帯になりそうだ。安藤ファンにとっては垂涎のマンションだろうし、そうでない人にとっても資産性を重視する人にはお勧めだ。

 「シティハウス仙川」の時も、周囲には「単価(275万円)は安くないが、絶対買いだ」と勧めた。今回、販売担当者から話を聞いたら、当時4,200万円で分譲された住戸は現在4,400万円ぐらいで取引されているという。参考までに紹介するが、同社はこの2棟のほかにも仙川駅圏でレベルの高い「パークスクエア武蔵野」を10年ぐらい前に分譲しているが、こちらも中古市場で高い評価を得ているのではないか。

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 面格子をなくした商品企画が面白い。勇気がいることだろうが、最近は3重、4重のセキュリティが採用されているから外廊下の窓に面格子などつけないほうがいいし、美観上も好ましい。しかし、これは女性を中心に異論反論もあるかもしれない。

 もうひとつの特徴のコンクリート打ち放しについて。コンクリート打ち放しは夏暑く冬寒い≠フが難点だが、販売担当者によると、「『シティハウス仙川』の入居者の方が見学にいらっしゃって『とても快適』と話されていた」とのことだ。屋上緑化その他、断熱にも配慮した仕様になっているのだろう。

 他の沿線に住むユーザーは京王線の仙川(せんがわ)はほとんど知らないだろうが、ここ数年、駅前の整備などが進み見違えるようによくなった。以前は、駅前に大きな桜があるだけで、ロータリーなどなかったが、住みよい街になっている。記者がお勧めの、いわし料理がおいしい「こしじ」も同社のパンフレットで紹介されていた。「こしじ」の隣の「萬来軒」は、豚肉の代わりに油揚げを用いたホイコーローが最高においしい。


建設現場

住友不動産 安藤忠雄マンション 仙川で2棟目分譲へ(6/10)

(牧田 司 記者 2011年6月17日)