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三菱地所レジデンス「ザ・パークハウス愛宕虎ノ門」

普通借地権付きで坪350万円は安い


マンションからの眺望(予想図)

 

 三菱地所レジデンスが5月末に分譲開始する「ザ・パークハウス愛宕虎ノ門」を見学した。

 物件は、東京メトロ日比谷線神谷町駅から徒歩3分、または都営三田線御成門駅から徒歩8分、東京メトロ銀座線虎ノ門駅から徒歩11分、港区虎ノ門3丁目に位置する13階建て全103戸(事業協力者住戸15戸含む)の規模。専有面積は44.18〜64.52u、予定価格は4,448万〜7,418万円(最多価格帯4,900万円台・5,900万円台・6,000万円台)、坪単価は350万円。竣工予定は平成24年2月下旬。施工は東急建設。

 敷地は、「天徳寺」がその多くを所有する土地と港区の施設跡地にまたがっており、天徳寺が所有する土地については普通借地権となり、港区の施設跡地は所有権となる。借地期間は50年で、満了時点で30年ごとの更新となる。月額賃料は7,500円〜10,900円。その保証金・敷金はかからない。

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 現地は、敷地の南東側が愛宕神社や NHK 放送博物館などがある風致地区に隣接しており、さらに近くには東京プリンス、増上寺、芝東照宮、東京タワーなどがある広大な風致地区があり、恵まれた立地条件にあるのが最大の特徴だ。

 敷地から1区画離れたところには三井不動産レジデンシャルが2007年に分譲して人気になった「パークコート虎ノ門 愛宕タワー」(30階建て全231戸)がある。

 建物は内廊下方式で、各住戸は南東向きと北西向きとなる。設備仕様レベルは高い。玄関・廊下・トイレなどの床とキッチン、パウダールームの天板は御影石が標準装備されており、ドア・収納扉は突き板仕様。キッチンはイナックスの新商品で「ドアポケット収納」が採用されている。リビングの天井は折り上げ天井が標準装備だ。バルコニーの奥行きは2m。

  
エントランス                      LD

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 最高の立地であることは言うまでもないが、興味深いのはユーザーが「一般借地権」付きの坪単価350万円をどう評価するかだ。三井不動産レジデンシャルは坪530万円だったし、鹿島建設がその前に分譲したホテル・オークラに隣接する同社の記念碑的マンション「虎ノ門タワーレジデンス」は坪500万円だった。今回のマンションも所有権分譲だったら、間違いなく500万円はする。

 それが借地権分譲となり、坪にして約150万円、20坪で3,000万円も安くなる。地代は月10,000円ぐらいだから期間50年としても600万円だ。一般的に地代は固定資産税の3〜5倍といわれているが、今回は3倍ぐらいに設定されているという。将来、見直しがされるかもしれないが、土地所有者はお寺だ。大幅な値上げはないと見る。

 最近はすっかり定着した定期借地権付きと比べても有利と判断できる。一般借地権付きは限りなく所有権に近いのに対して、定期借地権付きは、期間が50年であれ70年であれ、毎年、その期間分の1の資産が目減りしていく計算になる。

 この優位性を訴えきれれば早期完売は間違いない。価格は眺望のいい東南向きは坪400万円ぐらいで、北西向きは坪300万円台の前半になるのではないか。都心の一等地で価格が4,000万円台からという突き板仕様のマンションは記憶にない。


リビング

三井「パークコート虎ノ門」  会員だけで半数以上売却済み(2007/3/15)

(牧田 司 記者 2011年5月10日)