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正友地所「ザ 湾岸タワー レックスガーデン」

駅近・免震・単価安が売り


「ザ 湾岸タワー レックスガーデン」完成予想図


 前田建設工業のグループ会社、正友地所が2月に分譲予定の「ザ 湾岸タワー レックスガーデン」を見学した。

 物件は、りんかい線東雲駅から徒歩3分、江東区東雲二丁目に位置する31階建て全456戸の規模。専有面積は38.75 u〜117.69u、予定価格は2,200万円台〜12,000万円台、坪単価225万円。施工は前田建設工業、竣工予定は平成24年9月下旬。販売代理は長谷工アーベスト。

 まず、売主がどうして正友地所になっているのかだが、同マンションはもともとプロパストが事業化を進めていたが、経営難のため正友地所が事業継承したためだ。プロパストの物件の施工はほぼ100%前田建設だ。

 物件の最大の特徴は、駅近の免震マンションであることだ。東雲エリアには、三菱地所レジデンス「Wコンフォートタワー」(45・54階建て全1,149戸、平成17年完成)、アパ「アップルタワー東京キャナルコート」(44階建て全440戸、同19年完成)、丸紅・興和不動産・アーバンコーポレイション「キャナルファーストタワー」(42階建て全415戸、同20年完成)、有楽土地・名鉄不動産・長谷工コーポレーション「ビーコンタワーレジデンス」(41階建て全440戸、同21年完成)の5棟の民間タワーマンションが分譲済みだが、全て駅から10分ぐらいの辰巳運河沿いに建設されている。

 駅3分という立地は、大きな売りの材料だ。今後分譲予定の「ビーコンタワー」に隣接した野村不動産「東雲タワープロジェクト」(52階建て全600戸)は豊洲駅から徒歩11分というのが売りになるはずで、「Wコンフォートタワー」に隣接する三井不動産レジデンシャル「東雲」(概要未定)や住友不動産「有明北3−1」はまだまだ先の分譲だ。

 「免震」も訴求力がある。東雲地区で免震マンションは「ビーコンタワー」だけだ。

 敷地の形状が南北に細長いため住戸は東向きと西向きが中心だが、単価も割安感がある。住戸プランは1LDKや2LDKの小家族向けが中心で、6,000万円を超える住戸は50〜60戸ぐらいしかない。億ションも2〜3戸ぐらいだ。

 「駅近」「免震」「単価安」をアピールできれば、完売までそれほど時間はかからないと見た。フローリングの遮音等級は LL−40だし、敷地の北側には約2,000uの「東雲の森」も整備する。

 建物のデザイン監修は日本建築家協会会長の芦原太郎氏で、ランドスケープデザインは宮城俊作氏、照明デザインは豊久将三氏だ。モデルルームのインテリアデザインは小野意匠計画。

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 一つ注文をつけるとすれば、82uのモデルルームの設備仕様だ。単価が単価だからシンプルなのはいいとしても、他の大手デベロッパーが力を入れている下足入れ、キッチン、洗面などの収納はいかにも見劣りがする。例えば、キッチンのシンク下の収納は両開きになっており、扉の裏側に包丁差しが設置されているのみだった。これなどは10年も20年も昔のものだ。他の細部も工夫が足りない。いくら見えないところにコストをかけても、見える部分もしっかりつくりこまないとユーザーをひきつけられない。

 競合物件がないからいいようなものの、もし競合したらまず勝てないだろう。

 サッカー元日本代表で横浜マリノスの中澤佑二氏がイメージキャラクターに起用されているが、記者はサッカーのことはよく分からないのでどれほど集客力があるか見当もつかない。


完成予想図

マンション湾岸戦争 新段階へ 東急不が先駆け「東雲」(2010/10/7)

(牧田 司 記者 2011年1月18日)