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マンション湾岸戦争 新たな局面へ

先駆けの東急不動産「BRANZ東雲」


「BRANZ東雲」完成予想図

 

 東急不動産が11月上旬から販売開始する「BRANZ東雲」を見学した。この物件については、同社が先日、「パティオ(中庭)で生物多様性保全と環境配慮に取り組んだ分譲マンション」としてニュースリリースしたので、どのような取り組みかを確認するのと、先に記事にした東京建物の「Brillia辰巳」と競合するのは必至なだけに、どのような物件なのかを見るための見学だった。

 物件は、東京メトロ有楽町線豊洲駅から徒歩14分、又は辰巳駅から徒歩11分、江東区東雲1丁目に位置する15階建て全144戸の規模だ。専有面積は64.53m2〜88.20m2、価格は未定だが、70u台で4300万円台〜、坪単価は220〜230万円になる模様だ。竣工予定は平成24年2月下旬、施工はフジタ。販売代理は東急リバブル。

 今年は、国連の定めた「国際生物多様性年」であり、生物を含めた自然環境の重要性について改めて意識が高まる1年であり、これまでも他社に先駆け環境問題に取り組んできた同社の新しい提案として分譲されるものだ。

 最大の特徴は、敷地南側に「コミュニティパティオ」と名づけた中庭を設置していることだ。中庭は緑化を図るとともに、住民のコミュニティを醸成する仕掛けも施している。シンボルツリーを中心とした緑化やウェルカムバードバスや巣箱で鳥を呼び込むしかけも行う。廃材利用や雨水の再利用、自転車置き場の屋上緑化や壁面緑化なども行う。CO 2 削減の「見える化」も進める。

 この物件は、東京都の「マンション環境性能表示」制度が今年1月に改正された新しい基準によると☆13個を獲得している。満点は☆15個だが、現段階で申請があった29件の中で満点は1物件もない。三菱地所が建設を進めている「晴海2丁目」の1800戸のマンションが☆14個を獲得する模様だ。

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 一つひとつの取り組みは非常に結構なことだ。もともと同社は、どこのデベロッパーよりも早く環境問題やユニバーサルデザインに取り組んできた。しかし、その先進性が一般ユーザーにまで浸透しているとはいい難いのではないか。その意味で記者は歯がゆさを感じている。どんどん、これからもアピールしてほしい。

 東京建物「Brillia辰巳」との競合については、「辰巳」は坪単価200万円前後になりそうで、この「東雲」とはグロスにして500万円ぐらいの価格差になりそうだ。立地条件からしてこの価格差は妥当だろうが、決めるのはユーザーだ。

 立地はやや異なるが、東雲キャナルコートでは野村不動産が52階建て全600戸のマンションを着工したし、駅3分には正友地所が31階建て456戸のマンションを分譲する。三井不動産も46階建てのタワーマンションを建設するそうだ。

 キャナルコートは少なくとも坪単価は250万円は下らないだろうから、今回の東急不動産の「東雲」は安いだろう。「豊洲」の分譲マンションは現段階ではこれから分譲予定はなく、舞台は「東雲」「辰巳」、それに「晴海」に移りそうだ。マンション湾岸戦争は新たな局面を迎える。今回の「東雲」はその先駆けだ。東京建物「辰巳」もそうだが、ユーザーの反応が気になる。

(牧田 司 記者 2010年10月7日)