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ポラスのマンションに期待

10年ぶりに都内で「浅草」「中落合」分譲


完成した「ライフピア新越谷7」
   

 

 絶好調の戸建て事業や相次いで新商品を発表している注文住宅部門の陰に隠れて印象が薄いポラスのマンション事業だが、なかなか意欲的な物件を供給している。その一つ「ライフピア新越谷7」が完成した。

 この物件については、昨年の記事を参照していただきたいが、もっとも面白いプランは、表通りに面した1階住戸のプランだ。リビングと一体利用できるフラットなタイル張りの広いテラス(16〜23u)を設置し、テラスの外側は前面道路からの視線を遮断しつつ、ガラスブロックと堅格子で光を取り込む工夫も凝らしている。これによってLDKとテラスを合わせ20畳大の空間を実現している。リビングに面した和室は敢えてスキップフロアとしているのも面白い。

 このほか、最上階住戸では16畳大のロフトと天井高4メートルの吹抜けを持つプランもある。

 外構にも力を入れており、1階住戸の採光部分は竹矢来の雰囲気をかもし出す演出を施し、外周部の緑化を図っている。

 現在、7戸が残っているというが、そのうちの4戸は1階住戸で、「完成したのを見ないとイメージが湧かないというお客さまが多かった」のが残った理由のようだ。しかし、完成した1階住戸は予想していた以上の出来栄えで、リビングとテラスが一体利用できることをきちんと伝えれば間違いなく売れるだろうし、厳しい市場の伊勢崎線で完売のメドを付けられたのは大健闘というべきだろう。

 商品企画を担当した中央住宅マンションディビジョン(事業部)の楠木貴久氏は、「この規模で、しかも坪単価165万円という単価でよく頑張ったと思う。5月には『浅草』27戸、『東川口』24戸、『越谷赤山町』36戸、今秋には『新宿中落合』62戸を供給するが、とくに『浅草』はどこにも負けない立地で、価格も低く抑えられる。他も大丈夫」と語った。

 楠木氏は、名古屋市長の河村たかし氏と兄弟かと思えるほどそっくりで、話し方もまたよく似ている(名古屋出身ではない東京出身)。これだけでも十分業界に顔を売ることができるが、マンション商品企画でも堂々と勝負してほしい。今回の物件のようにきめ細かな商品企画で臨めば十分勝負できると見た。課題は設備仕様だろう。伊勢崎線と同じでは厳しい。

 同社が都内でマンションを供給するのは「ライフピア中板橋」以来10年ぶりぐらいのような気がするが、「中板橋」は北側斜線を巧みに利用したなかなかいい物件だった。

※この記事は3月7日に取材したものです。

  
外構

ポラス 戸建てのよさ取り入れた「ライフピア新越谷7}(2010/6/1)

(牧田 司 記者 2011年3月14日)