第21回 RBA 野球大会 中国大使杯 総合優勝戦(3月19日)から 敵に塩 粋な計らい 清水応援席から旭化成コール 清水建設の8回表の攻撃が終わったときだ。1点を返し、ベンチはイケイケムードに包まれた。しかし、規定では「試合は9回戦、または2時間」と決まっている。残り時間は数分しかなかった。旭化成ホームズが普通の攻撃をすれば、8回が最終回になりそうだった。 ところが、8回裏の旭化成の各打者はほとんど 1 、2球で打った。深海は2塁打を放ったが、攻撃時間は数分で終わった。明らかに清水に攻撃のチャンスを与えようという配慮に見えた。それでも規定の2時間を過ぎていた。 ここで、双方の気持ちを察した久米信廣大会委員長が粋な計らいを見せた。「表彰式の時間を削って試合を続行する」と決定した。試合は、9回に清水がもう反撃し、規定の2時間を15分ぐらい過ぎて終わった。 あわただしい表彰式が終わり、旭化成ホームズナインが勢ぞろいして清水ベンチ前で一礼したとき、清水ベンチと応援席からは「旭化成! 旭化成!」のコールが沸き起こった。 RBA野球の原点はここにある。感動的なシーンであった。
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(牧田 司記者 2010年3月20日)
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