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 第21回 RBA 中国大使杯 総合優勝戦 旭化成ホームズ−清水建設

旭化成ホームズが優勢と見たが

  
旭化成ホームズ鈴木監督      清水建設・山寺監督


  第21回RBA野球大会(主催:第三企画)の中国大使杯総合優勝戦、旭化成ホームズ−清水建設が3月19日、東京ドームで行われる。住友林業を延長戦で下した水曜ブロックの覇者・旭化成は10度目のドーム進出。勝てば9度目の優勝となる。現在3連覇中。一方、日曜ブロックを制した清水建設も、延長戦で東電不動産を下し、10年ぶり3度目の進出。勝てば10年ぶり2度目の優勝となる。勝敗を占ってみた。

チーム育ての親 平居専務の社長昇格に花添えるか

 旭化成ホームズは過去3大会で総合優勝戦も含め一度も負けていない。今大会まで28連勝中。通算でも91勝17敗、通算勝率は.843に達する。自他ともに認めるRBA最強軍団だ。走攻守とも穴がなく、勝つ野球に選手が一丸となっているのが強さの秘密だ。若手、ベテランのバランスもいい。

 投げるのはエース今野で間違いない。今大会は準決勝戦で2失点したが、防御率は1.10とほぼ完璧に抑えている。抜群のコントロールが身上だ。堅い守備陣を信頼できるのも心強い。体調が万全なら最小失点に抑えられる。2番手の平山の出番はなさそうだ。

 攻撃陣は、上下むらなく打つ。1番北寒寺、2番佐藤盛、3番三好の上位打線がうるさい。足もあり、無安打でも得点できる機動力がある。下位を打つ山本捕手も曲者で、チーム打撃に徹し流れを一変させる。リードも巧みだ。

 守りも鉄壁だ。遊撃手の北寒寺は決勝戦で失策を犯したが、守りはプロでも通用する。他の内外野陣もRBAではみんな水準以上だ。

 鈴木監督はオーソドックスな采配をふるう。奇策は用いない。6:4で旭化成が優勢と見た。

 人事部長時代から優秀な人材を入社させ、仕事の面でも全国トップクラスのエリート集団に育て上げた平居正仁専務が、4月1日付で同社社長に就任することが決まっているだけに、社長昇格に花を添えるか。最高の舞台は整った。

○鈴木監督コメント 相手は強敵。それでもいつもの自分たちの野球をやるだけ

調子上げる小寺−金子バッテリー 準決勝・決勝は完封勝ち

 清水建設の劣勢は否めないが、チャンスがないわけでない。勝敗のカギを握るのは小寺投手−金子捕手のバッテリーだ。

 松山商−城西国際大卒の小寺は野手出身だが、松山商時代は1年生からベンチ入りし、2年生のときに甲子園ベスト4。大学4年では主将を務めている。今期は尻上がりに調子を上げ、準決勝戦、決勝戦とも完封勝ちしている。「あの投手は打てない」と東電打線を脱帽させた。

 小寺をリードする金子は、市立船橋出身。巨人入りした林などとプレーしている清水の強打者でもある。ムキになりがちな小寺を巧みにリードし、優勝に導いた功労者のひとり。打撃もいい。

 吉田主将も「相手は格上。胸を借りるつもり」と言葉は控えめだが、期するものがありそうで、今年に入ってすでに練習を4回こなしているとか。打撃陣では他に野村、茂野の3割打者もいる。

 守備陣は、旭化成には劣るかもしれないが、もともとは守りのチーム。穴があるわけではない。

 山寺監督は就任1年目。チームの若返りを図り、選手が伸び伸びプレーできる環境を整えたのが10年ぶりのブロック優勝をもたらした要因だ。

 旭化成は、育ての親・平居専務が社長に昇格するのに舞い上がり、ミスを犯す危険性もはらんでいるとみた。劣勢を跳ね返す力はあるとみた。

 これまでの通算成績は64勝23敗、通算勝率は.736。日曜ブロックではケンコーポに次いで2位だ。

山寺監督コメント 相手は連覇中の強いチーム。うちは挑戦者としてうちらしい試合をやるだけ。小寺に頑張ってもらい、金子、吉田を始め若手、ベテランの全員の頑張りに期待したい

 

(牧田 司記者 平成22年3月12日)