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「専有部サービスは無限の可能性あり」

高層住宅管理業協会・黒住昌昭理事長


左から土橋氏、黒住氏、渡邊氏

 
  東急不動産グループ東急コミュニティーの専有部サービス「家族力・プラス」を標準化した第一号マンション「ブランズ池袋 立教南」については先日記事にした。月額1800円の会費で入居から3年間「家族力・プラス」無償で提供するというものだ。

 何しろ業界で初めてのことだから、どのように推移するか当事者でも分からないのではないか。果たして月額1800円の会費で事業が成り立つのかという不安もあるだろう。しかし、記者は、有償であれ無償であれ高いサービスを提供すれば、やがてはリフォーム、買い替えはもちろん冠婚葬祭、さらには所有不動産管理まで任せられるようになるのではないかと思っている。入居者1世帯当たりの客単価≠ヘ年間数十万円にも数百万円にものぼると見ている。

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 今日(24日)は、高層住宅管理業協会の恒例の記者懇親会が行われたので、出席された黒住昌明理事長(大京アステージ会長)、土橋万里理事(東急コミュニティー会長)、渡邊良則理事(コスモスライフ社長)にそれぞれ、専有部サービスの取り組みについて聞いた。

 黒住氏 私はこの業界に来て12年になるが、マンション管理は居住者が快適に住めるようするのが主な業務だから、ビルメンとは似て非なるもの、極めてヒューマンな業種だと思ってきた。共用部も専有部もない。無料サービスも有料サービスもある。その可能性は無限にある。戸建てサービスも含めて、どこまで提案できるか懸命に探すことだ。基本的にはマーケットが決めること。

 土橋氏 顧客サービスとは個人の個客サービス≠ニいう視点でいかにハードとソフトのニーズを満たすか考えてきた。「家族力・プラス」がリニューアルやリフォームにつながるかもしれないし、建物の老朽化、入居者の高齢化という二つの老齢化問題にも対応して、お客さまから選ばれるようメニューも抱負にしていきたい。

 渡邊氏 数年前までは専用部に対する業務はご法度だったが、当社も最近はふれあいサービスを実施している。荷物の運び入れや声掛けなどだ。お客さまに一番近いところで仕事をしているわけで、これから何ができるか模索しながらやっていきたい。

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 参考までに紹介するが、東急コミュニティーには宅建主任者が1,081人、マンション管理士が435人、区分所有管理士が516人、管理業務主任者が1,266人、建築士が227人、電気工事士が947人もいる。スペシャリスト集団でもあるわけで、大手の同業他社も優秀な人材を揃えているはずだ。黒住氏が語ったように専有部のサービスは無限の可能性を秘めている。

東急不グループ 専有部サービスで先陣、他社をリード(2/18)

(牧田 司 記者 2010年2月24日)