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専有部サービスで先陣、他社をリード

東急不動産グループ「家族力・プラス」を標準化


「ブランズ池袋 立教南」 完成予想図


標準採用第一号は「ブランズ池袋 立教南」

 東急不動産が3月上旬に分譲開始する、同社グループ東急コミュニティーの専有部サービス「家族力・プラス」を標準化した第一号物件「ブランズ池袋 立教南」を見学した。「家族力プラス」を標準化したマンションについては3年間無料となる。見学の目的は、もちろん「家族力・プラス」がユーザーにどのように評価されているかを聞くためだ。

 現地で対応していただいたのは販売担当の東急リバブル「ブランズ池袋 立教南マンションギャラリー」チーフ長谷川彰男氏だ。

 まず、長谷川氏の声を紹介しよう。「われわれは今まで入居後のことについてはあまり説明しなかったのですが、『家族力・プラス』に関するセールスツールに従ってお客さまと商談を進めていくうちにじわじわと浸透していき、やがて大きな共感を得られるようになることが分かりました。お客さま、特にシニア層の方を中心に『えっ、ここまでやってくれるの? 』と驚かれる方がいらっしゃいます。お客さまとの接点を増やし、かゆいところに手が届くサービスがトラブルの解消にもつながると実感しています。われわれ販売担当にもありがたいサービスです」

 

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 「家族力・プラス」は、昨年1月から開始したものだ。1800円の年会費で、照明管の交換、家具の移動、建具の修理・交換、水まわりの修理から布団丸洗い・乾燥、買い物代行、家事代行、冠婚葬祭まであらゆる暮らしに関するサービスを無料、または有料でサポートする。サービス開始から約1年が経過し約5000世帯がサービス会員になっているという。

 同社では「想定以上のニーズを得られ、東急コミュニティーの『共用部だけでなく、実際にお客様が生活される専有部のサービスに積極的に携わりたい』という意思が結実しました」としている。

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 「ゆりかごから墓場まで」という言葉がある。イギリスや北欧の福祉政策スローガンで、もはやこの政策は破たんしたとも言われている。記者は、この言葉こそ不動産ビジネスの基本だと思っている。

 無償のサービスを提供しろと言っているのではない。至るところにビジネスチャンスが待ち受けており、あらゆる生活ニーズに応えられるのが不動産業という意味だ。富裕層に好かれた不動産営業マンが数十億円の不動産資産の管理を任されたり、顧客リストがどんどん積みあがっていったりする不動産流通の営業マンの話もたくさん聞いた。新規顧客による契約より既存顧客からの紹介による契約が多い営業マンもたくさんいるはずだ。不動産ビジネスとはそういうものだ。いまだにデベロッパーの一部には「事業離れ」なる言葉が残っているが、時代錯誤もはなはだしい。

 「共用部だけでなく、実際にお客様が生活される専有部のサービスに積極的に携わりたい」――この理念は、東急コミュニティーが設立された昭和45年の設立趣意書にも盛り込まれていることを「ブランズ池袋 立教南」のパンフレットに同封されていた冊子で知った。マンションの管理に関する資料は全部で5〜6種類もあった。これほどマンション管理に関する資料を盛り込んだマンションなどかつてないはずだ。それだけに、この「家族力・プラス」にかける同社の意気込みが伝わってくる。

 高層住宅管理業協会は、「住生活総合サービス業」をスローガンに掲げているが、どうやら東急不動産グループが先陣を切り、他社を1歩も2歩もリードしたようだ。

 東急グループは、今回の「ブランズ池袋 立教南」を皮切りに全国で供給する全物件に「家族力・プラス」を標準採用する。

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 物件は、東京メトロ副都心線池袋駅から徒歩11分、豊島区西池袋4丁目に位置する7階建て全40戸。専有面積は約43〜92平方b、価格は未定だが、坪単価は260万円の予定。竣工予定は平成23年2月下旬。施工はピーエス三菱。販売代理は東急リバブル。

: 現地は歩行部も含め幅員約20bの都市計画道路(工事中)に面しており、立教大学には徒歩3分。3LDKが中心で、高価なドイツ・ジーマテック社製のシステムキッチンが標準装備されている。

(牧田 司 記者 2010年2月18日)