東急不動産他「クロスエアタワー」
坪単価は330万円以上か 図書館も併設
「クロスエアタワー」完成予想図
東京都と東急不動産（事業比率30％）、東京急行電鉄（同30％）、三井不動産レジデンシャル（同25％）、有楽土地（同15％）は12月9日、東京都が施行する大橋地区第二種市街地再開発事業の一環として開発を進めている「クロスエアタワー」のモデルルームを一般公開に先駆けて公開した。一般公開は平成23年1月下旬から。
物件は、東急田園都市線池尻大橋駅から徒歩5分、目黒区大橋一丁目に位置する地下2階地上42階建て全689戸（うち非分譲住戸198戸、一般分譲住戸：東京都保留床48戸／特定建築者4社保留床443戸）の規模。専有面積は30.07m2～161.68m2。坪単価は「300万円台前半」になる模様だ。
販売開始予定は平成23年3月下旬。竣工予定は平成25年1月。販売代理は東急リバブル、三井不動産レジデンシャル、東急ライフィア、有楽土地住宅販売。設計は大成建設株。工事監理は東急設計コンサルタント。施工は大成建設、東急建設、錢高組。
目黒区最大の規模で､マンション内に区立図書館や区役所出張所、保健福祉の相談窓口等の公益施設が併設され、隣接する大橋ジャンクションの屋上に設置する約7,000m2の空中庭園（平成24年度完成予定）にも直結するのが特徴で､官民一体となった複合機能集積拠点として位置づけられている。区立図書館の蔵書数は約8万2,000～10万冊。2階には大型スーパーも設置予定。
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もっとも気になるのがやはり単価設定だ。関係者は「300万円台前半」としか語らなかったが､これは310万円未満という意味ではなく、330万円以上で、反響によっては340万円に近くなっても驚かない。
モデルルームは､仕様レベルは専有面積が狭いワンルーム中心のタイプの「LIMITED CLASS」と、ボリームゾーンの「EXCELLENT CLASS」、40、41階の20戸しかない「PREMIUM CLASS」の３タイプに分かれている。「PREMIUM CLASS」はオーソドックスな億ションらしい仕様レベルで､2億円はしないというからかなり単価は抑えられるようだ。間違いなく売れると見た。
全住戸の15％を占めるワンルームタイプもグロスは3,000万円台から4,000万円台の半ばだろうから、これも売れると見た。問題はボリュームゾーンのタイプだろう。競合も少なくないだけに果たしてどうか。
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販促の支援材料になりそうなのは、東京都が売主に名を連ね､区立図書館も併設されることだ。都が保留床を分譲するのは、地権者が権利床として取得するのを撤回したためで、民間各社が販売代理となる。果たして億ションになるのか気になったので都の都市整備局市街地整備部権利変換専門課長の半代修氏に聞いたら「最大で89平方㍍のタイプも億ションにはならない」と断言した。「都独自の値づけのルールもあるが､民間と価格差をつけるわけにもいかない」と、仕様も価格も民間と一緒にしたという。
公共の図書館が併設されるマンションはあまり聞いたことがないが､武蔵小杉で分譲する東急電鉄と東急不動産が武蔵小杉で分譲する「エクラスタワー武蔵小杉」にも図書館が併設されるという。（三井不動産レジデンシャル他「パークコート神宮前」は隣接して図書館があり、野村不動産他「中野ツインマークタワー」は図書スペースをたくさん設ける）
ただ、区立図書館は他の図書館と同様だから､サラリーマンが帰ってから利用することは不可能だ。せっかく併設するのだから､本来の目的以外の人をどうするかの問題もあるが、24時間利用にはできないのだろうか。有料にしたら誰も利用しないだろうか。
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都の「マンション環境性能表示」制度の旧制度で満点の星3つ（全12個）を獲得しているのもこのマンションの特徴の一つだ。都全体でこれまで満点は確か9物件しかないから価値がある。ただ、時間的な問題もあったのだろうが、記者としては、都が今年から評価項目として追加した「太陽光」にも挑戦してほしかった。三菱地所が来年分譲する晴海の大規模マンションは新制度で満点の星15個に一つ欠ける星14個を獲得している。
（過去のマンション環境性能表示制度で満点の星12個を獲得した物件 順不同）
明豊エンタープライズ「シェリゼ木場公園」
野村不動産「プラウドタワー練馬」
野村不動産他「武蔵野タワーズ」 「スカイゲートタワー」「スカイクロスタワー」（２物件）
東急不動産他「プリズムタワー」
首都圏不燃公社・三菱地所「パークハウス阿佐ヶ谷レジデンス」
東急不動産「ブランズ南千住タワー」
ゴールドクレスト「勝どきビュータワー」
三菱地所「北新宿再開発プロジェクト」
PREMIUM CLASS玄関（左）とLD
（牧田 司 記者 2010年12月8日）