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魅力いっぱい 太陽光発電マンション

大京「ライオンズたまプラーザ美しが丘テラス」


「ライオンズたまプラーザ美しが丘テラス」完成予想図

 大京は4月28日、首都圏で初めて各住戸に分配する太陽光発電システムを搭載したマンション「ライオンズたまプラーザ美しが丘テラス」のプロジェクト発表会を行った。5月下旬に販売開始する。

 物件は、東急田園都市線たまプラーザ駅から徒歩12分、または同線あざみ野駅から徒歩14分、横浜市青葉区美しが丘4丁目に位置する6階建て全79戸の規模。専有面積は約65〜96平方b、価格は4,200万円台〜8,500万円台(最多価格帯5,000万円台)の予定、坪単価は240万円の予定。竣工予定は平成23年3月22日。施工は大末建設。設計・監理は日建ハウジングシステム。

 物件の最大の特徴は、太陽光発電システムだ。これまで太陽光発電システムは、マンションでは共用部分へ配電利用が中心だったが、NTTファシリティーズの設備を採用して各住戸への分配を可能にした。今回、一般社団法人新エネルギー導入促進協議会の「新エネルギー等事業者支援対策事業」として補助金交付が認められた事業。

 1個のメーターで売買電が可能で、出力は全体で70kW 、1戸当たり平均出力は0.89kW (戸建ての4分の1)。売電は24円/kWh。設備は区分所有設備となり、長期修繕計画(20年)は大京アステージが策定する。同社の試算では、電気料金に換算して戸当たり年間約21,000円削減効果があるという。

 その他、パッシブデザインの考えを随所に取り入れ、横浜市の建築環境総合性能評価システム( CASBEE横浜)の「Aランク」(大変良い)を取得している。

 発表会で挨拶した同社業務執行役・土田穰一郎氏は、「マンション事業は明るい兆しが見えてきた。当社の『国分寺』『平井』『瑞江』なども早期完売した。このマンションは、電気代の20%を低減できる太陽光発電システムの搭載など、未来に誇れる品質を確保した」と語った。

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 このマンションの特徴は、まだまだ他にある。同社が一昨年に分譲して人気になった「平成20年度(第2 回)超長期住宅先導的モデル事業」に採択された「ザ・ライオンズたまプラーザ美しが丘」に盛り込まれているものがほとんど採用されている。ないのは可動式外付けブラインドぐらいだ。

 様々なエコ対策を施した結果、電気、ガスなどの年間コスト削減効果は戸当たり約86,000円になるという。

 建物デザインがよく設備仕様のグレードも高い。タイル張りコンクリとルーバーで上下2分されたバルコニー手すりは、マリオンで区切った独立型とし、敷地南側から西側に至る外周約100メートルには御影石でも貴重とされる白ジュラクのフェンス・ゲートを配している。エントランスなどの共用部分には御影石をふんだんに用い、透かし積みレンガブロック、突き板仕様の天井、「水の庭」、などを設置する。

 各住戸の設備機器では照明器具は全てLEDを採用したほか、間取りの可変性を高めたメニュープランの提案、前後セパレートの可動棚付き収納の「アレンジシェルフ」、新製品の洗面「キレイボウル」などを採用している。

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 ハードもソフトも文句なしのマンションだ。単価も安いと思う。難点といえば、アクセスだけだ。あざみ野駅からはフラットだが、最寄駅のたまプラーザ駅から現地まではかなりの高低差のある坂道だ。地元住民なら慣れているだろうが、新規の顧客がどう判断するか。近くに住む人に聞いたら「行き(出勤時)はあざみ野を利用し、帰り(帰宅時)はたまプラーザを利用するといい」とのことだった。

 太陽光発電システムを搭載したマンションは、福岡の芝浦特機が主に賃貸マンションで多く導入しており、人気になっていると新地哲己社長から直接聞いたことがある。今後の普及に期待したい。

大京「ザ・ライオンズたまプラーザ美しが丘」が竣工(3/9)

(牧田 司 記者 2010年4月28日)