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「ソフトクローズ機能付き引き戸は主力商品の一つ」

ムラコシ精工


同社のソフトクローズ機能がついている売れ筋商品の一つの食器棚

 

 既報の三井不動産レジデンシャル「パークホームズ若葉台ステーションハウス」に採用されているソフトクローズ機能付き引き戸を造っているメーカー「ムラコシ精工」(小金井市緑町、村越政雄社長)に取材した。

 同社は昭和51年、金属加工・精密部品メーカーのムラコシ(同社長)の木工用ジョイント専門会社として分離独立。社員数は約 200人。木工用ジョイント、扉金具、スライドヒンジ、ドアレバーの4本柱が事業の中心で、ソフトクローズ機能付き引き戸は、扉金具部門の一つとして5〜6年前に開発された。

 開発の経緯について、同社営業部営業一課係長・馬場辰也氏は、「もともとは食器棚などの家具用引き戸として開発されました。最初はバネ仕掛けで引き込む機能だけで、干渉音がありデザイン的にもいま一つだったので、何とかソフトクローズ式のものが開発できないかということで考えられたものです。一定の位置まで閉めるとバネで引っ張ると同時に、ダンパーによって引っ張る力を軽減するという原理としては簡単なものです」と語る。

 今後の展開について馬場氏は「これまでは家具メーカーや建材メーカーに納品するのが中心で、積極的にデベロッパーなどには営業してこなかったのですが、マンションなどの狭小住宅はデッドスペースができる開き戸よりも空間の有効利用ができますし、バリアフリーとしても付加価値が高い。当社の主力商品の一つに育ってきていますし、これから普及スピードがさらに高まることに期待したい」と語っている。

 同じような機能付きの部品を開発している大手では同社のほか「アトム」があるという。

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 記者はこのソフトクローズ機能付き引き戸をブルモーション機能付き引き戸≠ニ呼んできたが、ブルモーションはドイツ・ブルム社の固有名詞で、一般名詞としてはソフトクローズ≠ェ適当と、馬場氏から教わった。今後はソフトクローズ機能付き引き戸と呼ぶことにした。

 マンションの設備機器としては、これまで全開口サッシ、低床バス、ノンレールサッシ、床暖房、オール電化、食洗機、ディスポーザーなどが採用され始めたとき間違いなくヒットする≠ニ感じてきた。今回のソフトクローズ機能付き引き戸も同様に、あと1、2年もすれば当たり前の機能になると確信する。普及スピードが速まれば大幅なコストダウンも可能だろう。他社との差別化を図るなら今しかない。

ムラコシ精工ホームページ http://www.murakoshiseikou.com/

ソフトクローズ機能付き引き戸 三井不が「若葉台」で採用(2/17)

(牧田 司 記者 2月17日)