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 三井不動産レジデンシャル

「第5回三井住空間デザインコンペ」最優秀賞を公開


「パークホームズ成増マークレジデンス」

    プライバシーとパブリックが渾然一体の不思議な住空間

 三井不動産レジデンシャルは9月18日、「第5回三井住空間デザインコンペ」の最優秀作品に選定された住戸のモデルルームを対象物件の「パークホームズ成増マークレジデンス」で一般公開に先駆け報道陣に公開した。一般には10月24日から公開、11月下旬に販売する。

 三井住空間デザインコンペは、「デベロッパーと建築家・デザイナーとの新しい関係」を探る目的で平成14年に第1回が実施されており、今回が5回目。

 コンペ対象は同物件の1階の北側妻側住戸(専有面積約79平方b)。「親と子の新しい住まい」が与えられたテーマ。過去4回の応募を上回る788点の作品の中から倉本剛氏(37歳、倉本剛建築設計事務所)の作品が最優秀賞に選ばれた。

 受賞作品の主な特徴は、@「机ギャラリー」を核とした家族のコミュニケーション≠ェ自然と生まれるA緑を望む窓に面した位置に長さ11メートルの「机ギャラリー」を設置B「机ギャラリー」は、各住戸の間仕切り扉(引き戸)を開閉することでオープンな空間にも閉ざされた個室にもなるCリビング・ダイニング・キッチン、洗面室・浴室の引き戸を開放することで住戸全体が一つの空間になるC「机ギャラリー」、引き戸、扉、造作家具はシナ合板で統一し一体感を演出――など。

 物件は、東武東上線成増駅から徒歩5分、板橋区成増3丁目に位置する9階建て全223戸(非分譲51戸含む)。専有面積は約57〜100平方b、最多価格帯は5000万円台、坪単価は220万円。完成は今年7月。施工は熊谷組。昨年10月から販売を開始しており、現在まで約8割が契約済み。

 成増駅圏では2年前、東京建物の好調マンション「Brillia成増」を見学しているが、最悪市場でこのマンションもよく売れているようだ。


机ギャラリー

 
   
左からキッチンからリビング方向、洋室、集会室

◇      ◆     ◇

 公開されたモデルルームを見て驚いた。北側妻側住戸の難点を逆手に取ったプランだ。図面を紹介できないのが残念だが、一言でいえばP・P一体型<vランといえようか。

 ドアは浴室を除き全て引き戸。収納扉などもシナ合板で統一されていた。西側に設けられた玄関横の壁面はガラス張りとし採光にも配慮していた。キッチントップとダイニングテーブルを一体化させ、その一方ではキッチンとダイニングの床は戸建てによく見られるような段差(15センチ)を設けている。


倉本氏(モデルルームで)

◇      ◆     ◇

 見学して、「これは好き嫌いがはっきりするプラン」だとも思った。各居室はオープンな「机ギャラリー」と引き戸一つでつながっており、まるでプライバシーが保てないプランでもあるからだ。子育て世代にはいいが、子どもが成長したらどうするのだろうと思った。

 そこで、倉本氏に質問をぶつけてみた。倉本氏は「個室の生活に慣れている方は抵抗があるかもしれませんが、昔の日本の民家は田の字型が基本。このような生活もあるはず」と答えた。

 確かに、マンションのプランはほとんど万人向きにつくられる。しかし、考えてみればこれしかない′ツ性的な住戸があっていいし、1人だけに売れればいい。この住戸は、昔の民家がそうだったようにプライバシーとパブリックが渾然一体となった不思議な住空間が演出されている。いくらの値がつけられるか楽しみだ。

東京建物「Brillia成増」 東武東上線で一人勝ち(10/22)

(牧田 司 記者 9月18日)