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 三井不・東電不「パークコート神宮前」竣工

森と眺望、デザインが最高


「パークコート神宮前」

 

 三井不動産レジデンシャル(事業比率70%)と東電不動産(同30%)は4月17日、先月竣工した神宮前民活再生プロジェクト「パークコート神宮前」(385戸)の竣工見学会を行った。

 物件概要などは別掲の記事を参照していただきたいが、予想通りというか予想以上の出来栄えだった。素晴らしいの一言に尽きる。

 モデルルーム見学のときは見ることができなかった既存樹の森(フォレスト イン フォレスト)も眺望もしっかり確認できた。9階建ての住棟は、森が眺められる北向き住戸が人気なのも納得だ。森の樹種も樹齢も分からなかったが、江戸時代からのものだろう。

 フォレスト イン フォレストは、一般の人にも公開されるが、管理は三井不動産など民間5社からなる「原宿の杜守(SPC)」が担当し、マンションの入居者も一部管理費を負担する。森の借景を享受させる一方で、しっかりと負担もさせるという都もしたたかだ。

 ガラスカーテンウォール、縦横のルーバー格子を配した外観、アクアガーデン、アートサロン、ロビーラウンジの雰囲気もいい。

 販売は昨年10月から行われており、これまで190戸を供給して約9割が契約済みだという。30〜40平方b台の1LDKは単身女性の人気も高いという。同社は今年度内の完売を目指す。

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 意外だったのは売れ行きだ。もっと売れていると思った。来場者は2800組に達しているというが、その割には契約戸数は少ない。専有面積1坪当たり月額地代が約3.600円というのがネックになっているのかと思ったが、同社によると「買うべきかどうか、なかなか踏ん切りがつかないお客さまが多い」というのが原因のようだ。

 しかし、最高価格3億9000万円(169平方b)を始めとする億ションはそれ程多くなく、3000万円台の1LDKと7000万円台のファミリーが中心だから、販売が長期化することはまずないだろう。

 原宿警察署とセコムが隣接し、東郷神社と既存樹の森に囲まれ、隈研吾氏がデザインした神宮前のマンションだ。市場激変で割安感は薄れたかもしれないが、これほど恵まれた条件のマンションはまず出ない。ユーザーはこのようなマンションを買わなければならない。


既存樹の森(フォレスト イン フォレスト)

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 唯一、不満が残ったのは隈研吾氏がデザインした「ル アール東郷」と名づけられた店舗棟だ。外観は、いかにも隈氏のデザインと思われる木のルーバーが施され、壁面にはひし形の木のプランターボックスが配されている。店舗はハウスウエディングスタイルで、気鋭の松嶋啓介シェフのフレンチが食べられるという。

 記者には縁遠いからやっかみと取られるかもしれないが、この建物の外観は周囲の緑とマンションとは調和しているとは思えない。異形の建物だと思ったがどうだろう。

 
    アートサロン                       ロビーラウンジ

驚嘆の安さ坪318万円三井・東電「パークコート神宮前」(2008/11/19)

(牧田 司 記者 4月17日)