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平均97平方メートル 素晴らしい商品企画 

マリモ「ポレスターブロードシティ越谷蒲生」


「ポレスターブロードシティ越谷蒲生」完成予想図


 一昨日(3日)、当欄で約束したマリモの「ポレスターブロードシティ越谷蒲生」を紹介しよう。

 物件は、東武伊勢崎線蒲生駅から徒歩13分、越谷市蒲生旭町に位置する8階建て全47戸の規模だ。専有面積は約93〜101平方b、価格は2.790万〜3.580万円(3.000万円前後が中心)、坪単価107万円。完成予定は平成21年5月末日。設計・監理は同社、施工は大旺建設。分譲開始は9月だ。

 売主は広島本社。おそらくユーザーにとっては聞いたこともない会社だろう。しかも、東武伊勢崎線の各駅停車の蒲生が最寄駅だ。単価が相場並みの一般的なマンションだったら、おそらく数えるぐらいしか売れていないだろう。

 ところが、驚いたことに来場者は200件弱に及び、売却済みは26戸に達しているという。郊外マンションだから、リーマンショックの影響はないかもしれないが、驚異的な売れ行きだ。千葉方面や都内足立区などからの来場もあり、再訪が多いというのも特徴だそうだ。

 なぜこんなに売れるか。理由は簡単だ。単価が圧倒的に安く、しかも同沿線には他にない広さ(平均で97平方b)が確保されていること、首都圏マンションにはほとんど見られない工夫がたくさん施されているからだ。

 記者は、同社のマンションを見るのは1年半ぶりだが、そのときより設備仕様はグレードアップされていた。建具ドアはパナホームに統一され、引き戸のストッパーはより機能的になっていた。バルコニーには熱線反射合わせガラスも採用されていた。天井高は最大2.63メートル。ディスポーザーもついていた。三面鏡にはティッシュが簡単に取り出せる工夫もされている。

 驚いたのは押入れだ。枕棚は可動式で、湿気よけのふすまも上下に通気口がついていた。洋室のクローゼットも可動式棚がついていた。可動式だから、壁との隙間は縦も横もある。これは広島本社のアルテック製で、実用新案登録済みだという。

 これらの優れた点を訴えきれれば早期完売は間違いない。マンション不況など全く関係ないと思った。模型はなかったが、どうして模型を造らないのか、それも来場者にきちんと説明すれば理解されるはずだ。

    
可動式枕棚(左)と熱線反射合わせガラスが採用されたバルコニー

◇    ◆    ◇

 今回の取材で驚いたことがもうひとつふたつあった。同社の営業マンは「おもてなし課」という肩書きがついていることは最初の記事で紹介したが、今度は女性スタッフからびっくりするおもてなし≠受けた。

 現地販売事務所を訪ねたとき、その女性はわざわざドアを開け「牧田さんでいらっしゃいますか」と声を掛けてくれた。これまで30年近くマンションの見学をしているがこのようなもてなしを初めて受けた。そして、靴を脱ぎ、スリッパに履き替えようとしたら、そのスリッパには消毒済み≠ニいう紙の帯が付いていた。これもあまり経験がない。記者は、誰が履いたスリッパか全く気にならないが、女性には確かに気にする人がいる。こんなところにも同社のホスピタリティの高さを感じた。

 さらに驚いたのは、このようなもてなしは会社の指示でやっているわけではないということだった。広島出身で、北関東営業部埼玉ブロックおもてなし課ブロック長代理・大久保好彦氏(28)らスタッフの発案だということだった。

 同社には成績優秀者を表彰する制度があり、毎月、深川社長からお奨めの書籍や日めくりカレンダー、ボールペン(カランダッシュ)がプレゼントされる。大久保氏も「どこの製品か分からないのですが、書きいいですよ」と記者にボールペンを見せてくれた。

 先日、ユニクロの11月の売上が前年同月比32%増であったことが報じられた。機能性とデザイン、値ごろ感が消費者に評価されたとのことだった。ユニクロと同社を比較するのは適当でないかもしれないが、商品を開発するに当たっては消費者ニーズを的確に把握しなければならないということでは同じだろう。

  
大久保氏(左)と消毒済みの帯がつけられたスリッパ

マリモ健在 深川真社長がメッセージ 学びたい経営姿勢(12/3)

(牧田 司 記者 12月5日)