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マリモ健在 深川真社長がメッセージ
 
学びたい経営姿勢 

 

 埼玉県のマンションを検索していたら、「マリモ」の「ポレスターブロードシティ越谷蒲生」が出てきた。おそるおそる物件ホームページを開いた。

 おそるおそる≠ニいうのには分けがある。記者が同社の飯能や宇都宮のマンションを見学して記事にしたのは昨年の3〜4月だった。素晴らしいマンションだった。その後すぐサブプライムローン問題が持ち上がったのはご承知の通りだ。マリモは厳しい≠ネどという声も聞かれた。

 そんなはずはない≠ニ思いつつ、一方ではそうか≠ニも考えた。その頃、同社のホームページの更新がなされなかったようにも記憶している。今年に入って、同じ広島本社のアーバンコーポレイションの破綻もあった。おそるおそる≠ニは、応援したい企業が苦境に陥っているのを目の当たりにしたくなかったからだ。

 ところが、記者の心配は杞憂に過ぎなかったことがすぐわかった。「越谷蒲生」は100平方bマンションだったし、同社のホームページは一新されていたからだ。マリモ健在≠印象づけるのに十分なばかりか、マンションデベロッパーはいかにあるべきかが余すところなく盛り込まれていた。

 特に注目したのは、「お客様各位 当社の事業指針 並びに財務状況について」と題する同社・深川真社長直々の文章だった。以下に引用する。

 「昨今のマスコミ報道によるマンション大不況…お客様におかれましては、ご不安、ご懸念をお持ちのことと思います。…しかしながら、当社が企業として危機的状況ではないことはご理解いただきたく、当社の経営状況、並びに方針に関して…ご報告させていただきます。…当社の存続等を懸念されることなく、純粋にポレスターマンション自体の良し悪しにてご検討いただきたくことに繋がれば幸いです。

 ポレスターマンションは、販売したら終わりではなく…大切な『おつきあい』の始まりだと考えています。…企業の社会的責任として、健全な存続に関しては絶対的な使命感を持って経営にあたらせていただいております」

 この後続いて、7項目にわたって同社の事業指針を紹介している。@不動産流動化、証券化事業には一切手を出していないことAリスク分散ができていることB来年7月の売上計上予定戸数2210戸のうち約70%に当たる約1500戸の契約が済んでいること(10月末現在)C非上場でありながら財務諸表を公開していること――などで、最後に「当社は非上場であるため、無理な規模拡大を株式市場から求められることもありません。したがって、適正な量を必要とされるだけ供給していく方針です」と深川社長は書いている。

 深川社長は、ホームページ「TOP MESSAGE」で「1970年の創業以来、一貫して…装飾過多を好まず、愚直に真摯にマンション造りを進めて参りました。…広島に本社を置く会社でありながら、地元広島市内には一棟もポレスターマンションを供給していない…例え人口が少ない都市でも…誰かが良質なマンションを供給するのを待っておられると信じているからです…住みたくなるマンションを造っていきたい…。

 マリモの経営理念は『利他と感謝』です。私も含め…一人ひとりの人間的成長を目指していきたいと考えています」と述べている。

 深川社長のことばは、一語一語がグサリとわれわれの胸に突き刺さってくる。ぜひとも同社のホームページを見て欲しい。 深川社長は、創業社長・深川武夫氏に代わって19年3月に社長に就任。もうすぐ36歳になるそうだ。

 「越谷蒲生」のマンションについては、金曜日に現地見学して記事にする予定だ。

マリモホームページ http://www.marimo-ai.co.jp/

続マリモマンション 営業マンの名刺は「おもてなし課」(19年4月4日)

造り手の心が込められているマリモのマンション(19年3月26日)

(牧田 司 記者 12月3日)