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渋谷区でも億万長者がここ1、2年に激増

所得5億円以上の納税者は79人 平均所得は14億円

 東京都港区の富裕層≠ェ激増していることは当欄で何度も紹介したが、同じく富裕層が多く住む渋谷区はどうか。

 渋谷区は港区のように富裕層の増減を確認できる行政資料は公表されていない。しかし、課税標準額を割り出す前の総所得金額を段階的に示した資料を入手した。非常に面白いので紹介しよう。

 まずは所得が5000万円以上の人の推移から。

(所得が5000万円以上の納税者数)

●平成15年6月  1099人(全納税者に占める割合0.011)

●   16年6月  1122人(              0.011)

●   17年6月  1147人(              0.011)

●   18年6月  1343人(              0.013)

●   18年12月 1486人(              0.013)

 次に、いわゆる億万長者の各年度の数を追ってみよう。

(総所得が1億円以上の納税者数)

●平成15年6月  334人(全納税者に占める割合0.0032)

●   16年6月  356人(              0.0034)

●   17年6月  371人(              0.0035)

●   18年6月  496人(              0.0046)

●   18年12月 560人(              0.0050)

 このデータから、渋谷区でも確実に億万長者が増えていることが確認できる。興味深いのは 15 年度から 17 年度まではそれぞれ年度比で22人、15人しか増えていないのに18年度は125人も増加、この半年間でも64人と大幅に増えていることだ。

 さらに詳しく見てみると、驚くべき事実が分かる。5億円以上の突出した高額所得者の推移だ。

(所得が5億円以上の納税者数)

● 平成15年6月  25人(平均所得8億7180万円)

●    16年6月  27人(同     7億9568万円)

●    17年6月  28人(同    11億3423万円)

●    18年6月  52人(同    10億6928万円)

●   18年12月 79人(同    13億7764万円)

  すさまじい数字だ。年収5億円以上の富裕層が3年前と比べ3倍以上も増え、その平均所得も2倍近くに増えている。

 港区のように億ションがどんどん建っているわけではない。「実感としては、お金持ちがどんどん港区に移っている」(渋谷区関係者)と言われる渋谷区で、 どうしてこのようなけた違いのお金持ちが増えているのか。真っ先に考えられるのは株や不動産の売買益、あるいは退職所得だ。ここ1、2年、株も不動産も大幅に上昇した。団塊世代の退職も増えている。

 さて、問題はこのような突出した高額所得者は何に投資するかだ。記者は、都心部一等地のビル用地やマンション価格はまだまだ割安だと考えている。渋谷区も含め都心部の不動産投資はまだ当分強含みで推移すると見たがどうだろう。不動産だけでなく、富裕層ビジネスはあらゆる分野でまだまだ伸びそうだ。 

(牧田 司記者 12月7日)