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絶好調の三井不動産 平成19年3月期中間決算

 

マンション完成在庫は100戸のみ、当期計上予定4400戸の契約率90%

 昨日(10月31日)、三井不動産の平成19年3月期中間決算の発表会があった。決算数字は遅行指標で、予想されていたことではあったが、その絶好調ぶりには驚かされた。一点の曇りもないとはこのことをいうのだろう。ある記者は「何か不安材料はないのか」とあきれた様子で聞いたほどだ。

 賃貸、分譲、仲介・コンサルティング、管理受託、施設営業などほとんど全ての分野が増収増益で、売上高5113億円(対前中間期比3.7%増)、営業利益642億円(同39.6%増)、経常利益542億円(同47.3%増)、中間純利益395億円(同69.9%増)と増収増益となった。

 賃貸は、前期竣工した日本橋三井タワー、銀座三井ビルなどが収益に寄与し、オフィスビル(単体)の空室率が1.0%(18年3月末1.0%)と引き続き低水準で推移した。

 分譲も好調で、計上戸数が少なかったため39億円の減収となったが、ファンドなど投資家向けが計画どおりに進捗し、分譲全体としては93億円の増益となった。中間期末のマンションの完成在庫は100戸(18年3月末235戸)に減少、戸建て住宅の完成在庫は40戸(同20戸)となっている。当期計上予定戸数4400戸に対する契約進捗率は約90%に達している。

 仲介・コンサルティングは、三井不動産販売の法人・個人仲介が好調だったことから売上高は330億円で、48億円の増収となった。

 単体の粗利益率も17.9%から21.5%へ3.6ポイントアップした。賃貸は既存物件の収益改善などもあり、前中間期の18.2%から1.5ポイントアップの19.7%に。分譲は、住宅の計上戸数が少ないことから固定費率が増加したため4.9ポイント低下の9.0%となったが、利益率の高い投資家向けが増加したため10.6%から17.1%へ6.5ポイントアップした。

 通期業績予想は、期初に公表した通り売上高1兆2220億円、経常利益1250億円、純利益630億円を見込んでいる。

 同社は、これからも複合開発の「ラゾーナ川崎」「芝浦アイランド」「パークシティ豊洲」「ららぽーと横浜」「ららぽーと柏の葉」が続々竣工、稼働するほか、防衛庁跡地の「東京ミッドタウン」も来年春にオープンする。

 

(牧田 司記者 11月1日)