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まるで樹林マンション%。和不動産「藤和大泉学園ホームズ」

練馬区の保護樹林をそのまま残す

「藤和大泉学園ホームズ」完成予想図(同社パンフレットより)

 藤和不動産の今期下半期の目玉物件の一つ、「藤和大泉学園ホームズ」を見学した。西武池袋線大泉学園駅から徒歩6分の、練馬区東大泉7丁目の一角で建設中の地上4階建て全37戸の規模だ。

 専有面積は約45〜84平方b、予定坪単価は235万円。敷地が区の保護樹林に指定されていた屋敷森だったことから区と協議の末、敷地の半分を区に売却して残すことで合意、自然との共有を図ったマンションだ。

 区から表彰もされ、事前反響もいいということを聞かされたので見学したのだが、確かに、現地を見て驚いた。樹齢何百年もありそうなケヤキの大木や竹林などが建物の南側に植わっていた。建物は高さ12メートルだから、完成すれば樹林の中に建つリゾートマンションのような風情をかもし出すはずだ。その借景だけでも数百万円の価値があると見た。

 分譲するのは10月末で、まだ一部しか告知していないが、すでに問い合わせは600件もあるという。駅近、立地・環境からすれば、価格の割安感もある。住戸プランはDINKS向けからファミリー向けまで多彩で、人気になるのは間違いない。

杉浦社長を悩ますブランド問題

 同社は9月29日、平成18年度下期マンション発表会を行った。昨年度から恒例になっている発表会で、杉浦重厚取締役社長を始め、ほとんどの幹部が顔を揃えた。個々の目玉物件はともかく、ほとんどの役員が揃って物件説明会を開くというのは極めて異例だ。

 杉浦社長が同社初の生え抜き社長で、マンションの開発に長年携わり、広報担当も経験しているからだろうが、全社が一丸となっていいマンションを供給して、立派な会社にしよう≠ニいう意気込みがひしひしと伝わってきた発表会だった。

 発表会で杉浦社長が唯一戸惑いを見せたシーンがあった。マンションブランドに関する質問で、「ブランドを統一することは考えていないか」というものだった。

 これに対して、杉浦社長は「これまで供給したブランドはとっさに出てこないが、7つか8つははる。統一しなければとも思うが、それぞれのブランドにはそれぞれの思い入れもあるので…」と率直に語った。

 大手のマンションブランドは、3年前に野村不動産がプラウド≠ノ統一して以来、東京建物がブリリア%結}不動産がブランズ≠ニ相次いで統一。大京もシンボルマークを一新、ブランド戦略に力をいれている。

 同社もブランド再構築をすべきだとは思うが…杉浦社長の悩みは続きそうだ。

 

(牧田 司記者 10月6日)