RBAタイムズHOME > 2006年 >

 

積水「グランドメゾン杉並」で見た売主の良心

ランドスケープデザインが秀逸

 

 積水ハウスの「グランドメゾン杉並シーズン」を見学した。西武新宿線下井草駅から徒歩12分の敷地面積約3万平方bの総戸数684戸という杉並区最大級の規模で、最多価格帯5300万円台(2期)、坪単価128万円というものだ。施工は長谷工コーポレーション。

 戸数規模もさることながら、最大の特徴はランドスケープデザインが素晴らしいことだ。敷地が育英高専跡地だったこともあるのだろうが、約110本の既存樹をはじめ約2万5000本もの樹木が配されている。

 また、建物はV字型にリズミカルに配することで建物に表情を持たせ、多くの緑地スペースを生み出している。建物は外廊下方式が採用されているが、外廊下を共用廊下の中側に取り込むことで、内廊下方式のような雰囲気をかもし出している。

 同じ施工が長谷工コーポレーションで売主が積水ハウスというマンションでは、やはりランドスケープデザインが素晴らしい京王線千歳烏山駅圏の「東京テラス」があるが、それに優るとも劣らない充実ぶりだ。これほどの樹木を配したのは積水ハウスの意向だろうが、コストを抑えるため植栽にお金をかけない傾向にある最近のデベロッパーにあって、同社の良心≠垣間見た。

 良心的なのはもちろん植栽計画だけでない。住戸プランの細部にわたるまで細かな配慮がなされている。ドアの把手を壁面までセットバックさせているのもそうだ。何でもないことのようだが、ドアの把手は小さな子どもの顔の部分にあり、怪我をすることもある。凶器になりうることを理解しているデベロッパーは少ない。同社はユニバーサルデザインにもっとも積極的なハウスメーカーでありデベロッパーだ。同業他社も見習って欲しい。

 住戸プランが優れ、基本性能も水準とあって販売面でも順調な売れ行きを見せている。今年1月から分譲開始されており、すでに戸数の半分近くが販売済みとなっている。坪単価も、近接地域でこれから分譲されるものは坪250万円以上とかで、割安感もある。

 

(牧田 司記者 9月1日)