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三井不動産都市再生∞街づくり≠ナ他社を圧倒

今期中に4つの大規模商業施設が開業

「ラゾーナ川崎プラザ」完成予想図

 

 三井不動産は8月24日、「商業施設事業概要と今後の展開」と題する記者会見を行った。今期開業予定の4つの大規模商業施設「ラゾーナ川崎プラザ」(06年9月28日開業予定)「アーバンドックららぽーと豊洲」(10月5日開業予定)「ららぽーと柏の葉」(11月開業予定)「ららぽーと横浜」(07年3月開業予定)の紹介と今後の展開について、岩沙弘道代表取締役社長などが挨拶と説明を行った。

 「川崎」は、JR川崎駅前で東芝不動産と共同で開発を進めているもので、敷地面積は約7.2ヘクタール、延べ床面積は約 17.2ヘクタール。スーパー、シネコン、スポーツクラブなど287店舗が入居するほか、商業施設と併設された「ラゾーナ川崎レジデンス」667戸が早期完売している。

 「豊洲」は、石川島播磨重工業の造船ドック跡地の再開発で、商業施設の敷地面積は約6 . 7ヘクタール、延べ床面積約16 . 5ヘクタールの規模。店舗数は183店。子ども向け職業体験施設やスポーツプラザ、書店、スーパーなどのほか、都内の港や桟橋と施設を結ぶ水上バスも誘致する。施設と一体開発されるマンション「パークシティ豊洲」1481戸も圧倒的な人気を呼んでいる。

 「柏の葉」は、つくばエクスプレス「柏の葉キャンパス」駅前に位置する敷地面積約4.1ヘクタール、延べ床面積約14.4ヘクタールの規模。東急ストア、タラサ志摩などが入居する。このほか隣接地では1000戸近いマンション分譲も予定している。

 「横浜」は、JR横浜線鴨居駅圏の敷地面積約10.2ヘクタール、延べ床面積約22.6ヘクタールの規模で、大丸、イトーヨーカドー、東急ハンズなどが入居する。施設に隣接するマンション「パークシティ LaLa 横浜」705戸も好調な売れ行きを見せている。

 このように、これらの施設は大規模マンションと併設されているのが大きな特徴で、マンションの売れ行きに大きな貢献をしている。同社では、これらの施設の稼働により商業施設の賃貸面積は05年度の約86万平方bから約113万平方bへと約1.3倍に増加するというが、分譲マンション事業への寄与も含めると、多大な利益アップにつながっている。

 記者が注目したのは、このように同社の最近の事業展開は大規模な商業施設とマンションなどの分譲住宅を併設した複合開発が増加していることで、単に同社の業績だけでなく、地域の活性化・価値創造にも大きな役割を果たしていることだ。

 例えば「川崎」でいえば、同社がマンションを分譲した2年前の坪単価は180万円台だったと記憶しているが、施設の近接地で今後分譲されるマンションの坪単価は2百数十万円になるという。4割以上の値上がりということになる。

 「豊洲」も同様だ。2年ぐらい前までに分譲されていた同駅圏のマンション単価はせいぜい180万円だったのが、同社が「豊洲人気」を演出した結果、今後予定されているマンション単価は200万円台の後半になることも十分予想される。

 「柏の葉」も、他のつくばEX駅圏開発と比べもっとも開発スピードが速い。沿線の都市間競争で一歩も二歩もリードしているといえる。

 岩沙社長は、会見の中で何度も都市再生∞街づくり≠口にした。これらは引き続きデベロッパーの大きなテーマになってくるが、同社がこのテーマで他社を圧倒しているようだ。

 

「アーバンドックららぽーと豊洲」

 

「ららぽーと柏の葉」

 

「ららぽーと横浜」

(牧田 司記者 8月28日)