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ライオンズ♀・返上 独り立ちするグローベルス

「グローベル」マンションブランド第一号の「グローベルガーデン行徳シェルディア」

 

 同社は昭和12年創業。繊維業の「カロリナ」として知られていたが、平成2年に「かろりーな」に商号変更、同3年に大京グループ入り。同5年から「モリス」ブランドのマンション分譲を始めた。同11年からはブランド名を「ライオンズグローベル」に変更。「モリスではブランド力が弱くて売りづらいだろうから」という当時の大京・長谷川正治社長の判断で、無償で「ライオンズ」冠を借りたというのが真相だ。同13年には社名を現在の「グローベルス」に変更した。

 その後、大京はオリックスの支援を受けて新たなライオンズマンションのブランド構築を目指す展開となる一方、グローベルスも自社で建築士を採用、デザインに力を注ぐなど独自の商品企画開発に取り組んできた。

 冠返上は、こうした経緯があって行われたものだ。

 この点についてグローベルス・久永真一社長は、「私が社長に就任したのは、ブランド名がライオンズグローベル≠ノ変更された翌年の平成12年。当時から同じ上場会社として同じブランドを用いるのはどうかという声が内外にあった。当社も、懸案であった固定資産の減損処理を前倒しで行い、財務内容も改善。もうそろそろ独り立ちしてもいいという判断でブランドを返上した。お陰さまで、ブランドを返上しても、来場者数などは全然落ちていない。これからも大京グループとして連携はしていくが、当社の独自性も発揮していきたい」と語っている。

 社員数も久永氏が社長に就任した当時の40名から現在は100名に増強。「入札物件には30〜40社が応札するなど土地仕入れなどの競争が激化しており、中には首都圏脱出を図ったり、郊外にシフトしたりするところも増えているが、当社は経営資源を都内から埼玉、千葉を中心に集中的に投下して収益性の拡大を目指す」と、久永社長は現在の路線を堅持する構えだ。

 単身者やDINKS層の需要を見込んだ新しいタイプの商品企画を検討中で、西武鉄道から購入した新川越駅前ではタワーマンションも計画している。

 グローベルスの今後の展開に注目したい。

 

 

(牧田 司記者 8月7日)