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植栽が見事「東京テラス」「玉川上水グランドメゾン」


「東京テラス」の舗道部分の植栽


双方とも売主は積水ハウス

 「東京テラスの植栽、見ました? あれは素晴らしい」長谷工コーポレーション広報IR部長・岡田裕氏の言葉に釣られて、早速見学に行った。

 東京テラスは、京王線千歳烏山駅から徒歩16分またはバス6分徒歩1分、青山学院大学キャンパス跡地に建設された開発面積約49000平方b、総戸数1036戸の規模のマンションだ。

 一昨年から分譲されており、記者は販売開始当初モデルルームを見学して、アクセスがいま一つなのと、戸数の多さ、価格の高さなどから、販売には苦労するだろうと予測していた。

 予測どおり、当初は販売不振が伝えられていたが、建物が完成する前後から順調に売れるようなっている。売主は積水ハウス、住友不動産、名鉄不動産、長谷工コーポレーションの4社で、施工は長谷工コーポレーション。

 見学して、岡田氏の言葉が事実であることを確認した。

 植栽が見事だった。敷地内はもちろん、舗道と敷地を分けるレンガ貼りの壁との間に最大奥行き4〜5メートルの植栽ゾーンを設け、イチヨウ、ヒマラヤスギなどの約100本の既存樹やサクラ、雑木など新たに約2万本を植樹。所々にベンチが設けられており、入居者以外でも緑を楽しめるようになっている。既存樹などは20〜30メートルの高さだ。

 マンションと建売住宅にしろ、その規模の大小に関わらず、コストダウンのしわ寄せを一番受けるのが外構だ。入居時に植えられている中高木は、本来の高さまで育つのに20年も30年もかかりそうなものが一般的だろう。東京テラスは、入居と同時に緑が楽しめる環境を創った。売れ行きがよくなってきたのは、この素晴らしいランドスケープデザインと無関係ではないはずだ。

 見学しながら、思い出したのが積水ハウスの「玉川上水グランドメゾン」だ。「なんて素晴らしい植栽だろう」と、昨年見学したときの感動が甦ってきた。

 多摩都市モノレール玉川上水駅から徒歩9分のマンションと戸建てとの複合開発で、マンションは2棟で159戸の規模だ。

 「東京テラス」より広い約55000平方bの敷地に 高さ約20mのヒマラヤスギをはじめ、サクラ、コナラ、クヌギなど 31 本の既存樹木が植えられ、エントランスアプローチには自然石の石積みが設けられていた。

 「東京テラス」も「玉川上水グランドメゾン」も、優れたランドスケープデザインのマンションとして評価されるのは間違いないだろう。

 ◇  ◇  ◇

 われわれ業界紙の記者は、事業主が発表会を行わない限り、マンションや建売住宅が完成した現場をほとんど見ない。完成発表会が行われても、事前の分譲発表会と比べ集まる人数は少ないようだ。

 これではいけない。われわれ記者は自発的にどんどんいいものを見るべきだろうし、事業主もまたどんどん完成発表会を開くべきだろう。


「玉川上水グランドメゾン」の石積みと植栽

(牧田 司記者 2006年5月31日)