「姉歯さん、参考人招致逃げないで」 入居者が心境を語る

報道陣に心境を語る荻津さん

 

「もうこれ以上のローンの負担には耐えられない」

 姉歯(あねは)建築設計事務所による構造計算書偽造問題で、衆議院国土交通委員会は29日、建築主のヒューザー・小嶋進社長、指定確認検査機関のイーホームズ・藤田東吾社長らの出席を求め参考人として質疑を行ったが、傍聴に訪れた「グランドステージ東向島」の入居者の1人、荻津健二さん( 40 )は報道陣に対して、この日欠席した姉歯氏について「出てきて欲しかった」などと次のように語った。

 「入居したのは昨年12月。コンセプトがいいと思って購入した。事件が発覚するまでは快適な生活だった。

 この段階まで来ると、もう行政の力を借りないと…助けていただきたい。昨日も墨田区長にお願いしてきたが、私も含めみんな不安で、ふさぎこんでいる人がいる。精神的なケアが必要な人もいる。

 教育問題も課題の一つ。保育園とか幼稚園、小学校、中学校に通っている子どもたちの学区はなるべく変えたくない。移転先から現在の通学校に通えるのか、どうか…。

 住宅ローンについては、昨日、女房と給与明細を見ながら話し合ったが、これ以上の負担には耐えられない。

 姉歯さんについては、体調不良ということもあるのだろうが、参加してちゃんと話して欲しかった」

 また別の傍聴人は、「怒りの矛先は? 」と聞かれて、

 「怒りはヒューザーにぶつけたい。言うことが二転三転して、もう信じられない。あきれている。106%だの103%だの、話にならない。もう話し合える相手なのかどうか…」と、怒りをあらわにした。

 多くの報道陣に囲まれ国会に入る荻津さん

国会議事堂駅前で報道陣に取り囲まれる入居者

 

(牧田 司記者 11月29日)