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千葉の湾岸も人気

ゼファー他「 WONDER BAY CITY SAZAN」

 いまマンション業界でもっとも話題を集めているのは港区や品川区、横浜みなとみらいなどの湾岸マンションだが、同じ湾岸マンションとして忘れてならないのが、千葉県の京葉線南船橋駅圏で分譲中のゼファー他「 WONDER BAY CITY  SAZAN」だ。売れ行きもすこぶる好調だ。

 南船橋駅から徒歩5分、「スキーザウス」の跡地に建設中の22階建て全1211戸の規模で、専有面積は約 70 〜 122 平方b、最多価格帯 3100 〜 3200 万円台(坪単価約 130 万円)というものだ。

 5月から分譲が始まっており、これまで来場者は約 4000 件、契約済みは全戸数の半分 600 戸弱に達している。

 人気の要因は、@駅前の大型マンションA国内最大級の商業施設「ららぽーと」に近接――などだが、商品企画でもいくつか新しい試みが見られる。その第一は、他社に先駆けて「電気一括購入システム」が採用されていることだ。東京電力が事業用に供給している高電圧の割安な電力をまとめて購入、「SAZAN」内で家庭用に変圧して供給するものだ。これによって系統電力より5%低価格で供給できるようになったという。

ハイブリッドキッチンの採用

もう一つ興味深いのは、「IHクッキングヒーター」と「ガスコンロ」の選択、あるいは切り替えができるというハイブリッドシステムが採用されていることだ。電気とガスの両方を住戸内まで配管済みのため、特別な屋内工事をしなくてもいいというスグレモノだ。

記者は昨年、都心のある億ションで電気とガスの併用ができるキッチンを見学したことがある。「これだ!」と思ったものだ。IHにはIHの、ガスにはガスのいいところがある。IHは料理下手でも上手に調理できるが、調理が好きな人にとっては、中華料理はガスで鍋をあおりながら調理したくなる。住まい手にとって一番望ましいのは、双方の機能を兼ね備えたハイブリッドキッチンだ。問題はコストだけだ。

それだけに、このマンションでハイブリッドキッチンが可能と聞き驚いた。現地販売センターの山崎努氏に現時点でどちらを選ぶ人が多いかを訪ねたら「6対4でガス」という答えが返ってきた。この答えからも、ユーザーはガスかIHかという二者択一を考えていないことが分かる。

今でもオール電化マンションをうたい文句にしているデベロッパーは多いが、これからは「ガスも電気も」が必要ではないだろうか。コスト的にどうかという問題はあるが、時代の流れは確実にハイブリッドシステムに向うに違いない。

さらにこのマンションの特徴の一つに、環境への配慮がある。住棟配置はロの字型で、その中庭には約 8000 平方bにも及ぶ人工地盤の庭園「アミティガーデン」が設置される。里山の再生をコンセプトに高低差のある立体的な空間を創造するという。その下層は駐車スペースとなる。環境問題への取り組みとしては、ザウスで用いられた基礎コンクリートを再利用したり、マンション建設に伴なう残土もアミティスガーデンなどに盛り土として再利用される。

このほか、このマンションの特徴としては、免震工法の採用、二重床・二重天井、ディスポーザー、UV塗装のシステムキッチンなどが上げられる。

他の湾岸マンションと比べ割安

「南船橋」といえば、これまでは競馬場やオートレース場があることから、住宅地としてのイメージはいま一つだったが、東京駅へ30分圏内、新浦安へ8分、海浜幕張へ5分の好立地だ。価格も、いま人気エリアの横浜みなとみらいの坪単価と比較すると半値に近い。同じ京葉線の新浦安駅前では、4年前分譲されたマンションは坪 250 万円もしたのに人気になった。これらのエリアと比べるとまだまだ割安感もある。事業主のゼファーではマンションの人気化を受けて、隣接地に約700戸のマンションを計画中だ。

湾岸マンション≠ニいう言葉は、10年ぐらい前から業界を賑わせてきた言葉だが、これからも当分は人気マンションのキーワードになりそうだ。

(牧田 司記者 9月12日)