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大和ハウスが青山で驚嘆の億ション(4月20日)
 
ディーグランセ南青山ハイヴァリー

建築家・新居千秋氏が設計

 大和ハウス工業が、建築家・新居千秋氏を起用した驚嘆の億ション「ディーグランセ南青山ハイヴァリー」を5月14日から発売する。「驚嘆」の中身については後述するが、同社が分譲マンションの発売に際して 東京で 記者発表を行うのは異例のことで、新居氏を始め同社専務取締役マンション事業担当・石橋卓也氏も同席した。このことだけでも、同社の力の入れようが理解できた。

 発表の冒頭で挨拶した石橋氏は「億ション分譲は、先生に設計していただいた『神宮外苑』などこれで8棟目になるが、これまでの集大成として供給する。ファンドに売却する案もあったが、現場からは『分譲にしたい』というこだわりがあった。ファンドに売却すればリスクは低いが、それではノウハウが残らない。分譲することでリスクは高まるが、フラッグシップとして市場に問いたい」と語った。

石橋氏の挨拶を受けた新居氏は、「大和さんとは25年来のお付き合いだが、『好きなようにやっていただきたい。ひたすらいいものを』と言われ、すごいプレッシャーがあった。私としては集合住宅の設計は結構やってきているが、このマンションが一番」と述べた。

 

同物件は、東京メトロ銀座線 ・半蔵門線 「青山一丁目」駅から徒歩2分の 地上9階建て地下1階建て13戸の規模。専有面積は約107〜230平方b、 予定価格は1億 5000 万円台〜5億 9000 万円台(最多予定価格帯1億 8000 万円台)。予定坪単価は約 580 万円。設計・監理が新居千秋都市建築設計。施工は浅沼組。入居予定は平成 18 年 4 月中旬。

コンセプトは「見たことがない・今までにない」。販売事務所長の同社マンション第 2 事業部の田中宏和氏が「世界に通 用するマンションにしていただいた」と語ったように、従来のわが国のマンションにない「日本らしさ」「日本のアイデンティティ」を盛り込むため、西洋文化を取り入れ、ふすまや格子にそのモジュールを採用した「桂離宮」の設計思想を反映しているのが特徴だ。

さて、驚嘆の中身についてだが、まず外観ファサードに驚かされた。完成予想図を見ても分かるように、コンクリート打ちっぱなしのスラブが 内部から外への視線を重視して 何と平らでなくずれている。おそらくこんなマンションはかつてなかったのではないだろうか。

壁・床が建物の構造体そのものとして機能するように特殊な工法を採用しているため、住戸内にはまったく柱や梁型がないのにも驚かされた。スラブ厚は約 380 ミリ、外壁・戸境壁は約 400 ミリだ。

しかも、階高を3・ 75 メートルとり、居室の天井高を約3メートル確保、一番高いところは約3・5メートル、最上階のメゾネットタイプでは最大約8メートルもある。廊下やトイレ、洗面室でも約2・6メートルあり、一般的なマンションより高いぐらいだ。建具の高さは約2・6メートルで統一している。

設備仕様のグレードは、最近の億ションとそれほど変らないが、新居氏が世界各国から選りすぐった自然素材を採用するなど、徹底したこだわりがうかがわれる。壁クロスは不 織 布仕上げで、建具は天然木積層突き板仕上げ、床はビルマチーク材を採用している。

住戸プランは3通りで、SI対応。モデルルームタイプは、ドアなどを開け放つと奥行き約17メートルの大空間が広がるようになっており、インナーバルコニーへは4段のステップ(高さ全体で60センチ)を踏む提案も行われている。洗面、浴室はホテルライク仕様。サッシは床から立ち上げているので高さは約3・6メートルのものもある。カラーリングはゼブラウッドの建具以外は白が基調。

富裕層が23区平均の約5倍も住んでいる港区の、しかも「青山」に立地する億ションだけに、圧倒的な人気を呼ぶ可能性があると見た。同社の記念碑的なマンションであるのは間違いなく、わが国の億ションの代表作になるかもしれない。

新居氏は、横浜赤レンガ倉庫でグッドデザイン賞を受賞するなど公共建築物で数々の話題作を世に送り出している建築家だが、集合住宅の設計も多く手がけており、最近では野村不動産・三菱地所「神楽坂トワイシア 」、三菱地所「 ザ・フィネスト上野毛パークハウス」、野村不動産「 プラウド代々木初台」などを手がけている。現在、「代々木初台」はモデルルームが見学できる。極めて質の高いマンションだ。

 

(牧田 司記者 4月20日)