RBAタイムズHOME > 2005年 > ニュース
大京パワー≠引き継ぐのはどこか(3月11日)
 

 日神不動産(神山和郎代表取締役会長)は3月3日、都内のホテルで「会社設立30周年記念祝賀会・プロゴルファー神山隆志初優勝祝賀会」を開いた。参加者は約1800人。神山会長は社団法人日本住宅建設産業協会(日住協)の理事長を務めていることもあるのだろうが、その数に驚かされた。参加者の中には、日住協の会員会社幹部らのほか、95 歳にしてかくしゃくとされている住友不動産取締役相談役・安藤太郎氏や、プロ野球巨人軍・原辰徳元監督らも駆けつけ会を盛り上げていた。

 挨拶に立った神山会長は、「昭和50年に会社 (当時:日医信販)を設立して以来、早いもので30年の歳月が経った。今日、こうして30周年を迎えられたのは皆様方の協力とご支援のおかげ。業界のお膳立てで黄綬褒章も受章した。せがれ(隆志氏)も昨年ツアーで初優勝し、賞金ランクも8位に入った」と述べた。

 会の盛大さのほかに記者が注目したのは、神山会長の出身会社である大京とそのOBの顔ぶれについてだった。創業社長の横山修二氏も顔を出すのではという情報も流れていたし、ほとんどのOB会社の幹部が揃うだろうといわれていたからだ。横山氏はハワイに滞在中とかで出席されなかったが、OB会社からはそうそうたるメンバーが揃った。

 扶桑レクセル社長を退任し、アンビシャスを立ち上げた安倍徹夫氏も出席。安倍社長と神山社長は大京時代、1年違いの先輩後輩で、自宅も近かったことから家族ぐるみの付き合いをしていた。アンビシャスは会社立ち上げに際して、日神不動産から専有買いもしている。早期完売が期待できる物件で、このことからも2人の絆が深いことをうかがわせる。珍しい光景では、明和地所・高杉仁専務と、同社から独立した日本綜合地所・西丸誠社長が12年ぶりに会ったとかで、しばし歓談していた。このほか、大京とグループ会社の扶桑レクセル、グローベルス、大京管理や明和地所、日本ブレスト、エフジェーネクスト、ランド、日本エスリード、京和建物、東和ホーム、青山メインランドなどの社長や役員が顔を揃えた。その数は総勢50〜60人にのぼった。

 考えてみると、大京とグループ会社、OB会社のマンション供給量をトータルすれば、首都圏マンション全供給量の20%を軽く突破するはずだ。大京がオリックスの傘下に入ってどのようなデベロッパーを目指すのか現時点では不明だが、かつての強力な営業力を背景とした供給方針はとらないのではないだろうか。相次ぐ人材流失で、かつてのパワーは蓄えられていない気がするし、販売戸数にこだわる方針はとらないだろうと推測できるからだ。レオパレス21傘下で再建中のダイア建設もそうだ。同社はSIに注力しており、すでに販売戸数競争からの逸脱を宣言した。

 となると、あの大京パワーは、この日参加したデベロッパーに引き継がれることになるのではないだろうか。それほど熱気に満ちたパーティだったし、大京パワーが健在であることを知らしめたパーティだった。

(牧田 司記者 3月11日)