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三井不動産と住友不動産の
JV「ガーデンズコート武蔵小杉」を見学して(3月3日)
 

 三井不動産と住友不動産が共同で分譲開始したマンション「ガーデンズコート武蔵小杉」を見学した。武蔵小杉駅圏は三井不動産が駅前で再開発マンション1475戸を計画しているほか、数物件が分譲されている激戦地の一つ。よく売れたのは野村不動産「プラウド武蔵小杉」ぐらいだろう。

 記者が興味を持ったのは、第一に、両社が共同売主に名を連ねたマンションは沢山あるものの、両社のみのJVという点。第二に、その商品企画について。商品企画が見劣るので双方のブランド力で売り抜けようという魂胆かと詮索もした。

 まず一点目については、両社に確認したところ大阪・千里中央の建て替え事業で組んだことはあるようだが、首都圏では初めてということだった。ただ、このことはあまり重要ではない。大手デベロッパー同士が共同分譲方式を採用するのは珍しいことではなく、昨年三井不動産は三菱地所と共同で「志木ガーデンヒルズ」を分譲している。

 第二の商品企画だが、なかには6メートル台前半のショートスパンの住戸もあった。この物件に限らず、最近増える傾向にあるタイプだ。隣駅の武蔵新城でもほとんどショートスパンばかりの大型マンションが分譲されている。残念なことではあるが、こういったプランでもユーザーの支持を受けるのだから、是非は問えない。

 
随所にこれはいい″H夫施す
 

 びっくりしたのは、痒いところに手が届く∞これはいい≠ニいう魅力付けが随所に施されていたことだ。一つ一つ紹介していたらキリがないので、いくつかを紹介する。

@記者が推奨するノンレールサッシを採用していることに加え、子どもなどの指つめ防止機能付きだったこと。インナーバルコニー付きタイプには全開口サッシを採用

A引き戸を多用したユニバーサルデザイン仕様。ドアノブも安全性が高く、両手がふさがっているときでも開くことができるスイングノブ≠採用。ドアストッパーにマグネット方式を採用し、ドアを閉める際の面倒くささを解消する

B広々とした玄関ホールと明るい窓付き2ウェイのマルチクローゼットの提案

Cライフスタイルに合わせフレキシブルに利用できるキッズリビングの提案

D玄関に濡れた傘をかける傘かけを設置。下足入れ傘立ての下部の板を外すとゴルフバッグ入れにもなる提案。下足入れ裏にスリッパを入れるための棚を設置

E床と幅木の間を少し空間を設けることで遮音性を高める

F収納棚は大きいものと小さいものの出し入れが楽になるよう、下部棚と上部棚の奥行きを変える工夫。クロークの桟は上部と下部に2つ設けることで収納力を高めている

Gバスの床に温かく感じる素材を採用

 一つ一つは他の物件でも採用されているが、これほど沢山のアイデアを盛り込んだマンションは珍しい。しかも、これらはあまりコストがかからないものばかりだ。もちろん基本性能は水準以上だった。こうした工夫こそがユーザーの心をとらえると記者は確信している。

 生活者の視点でモノを考えることこそがマンションデベロッパーに求められていることだ。しかし、多くのデベロッパーは他社の真似はしても、自らが積極的に動こうとはしない。三井不動産と住友不動産の大手デベロッパーですらこういう工夫を行っているのだから、他のデベロッパーも負けないような工夫を施して欲しい。

(牧田 司記者 3月3日)