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大規模も中小規模も売れ行き好調の野村不動産(9月3日)
 

 首都圏マンション市場は、大量供給が続き競争が激化しているにもかかわらず、売れ行きはまずまずだ。しかし、これは大型物件が全体の数字を引き上げているためで、全てのマンションが売れているわけではない。マンションブランドとして名高い世田谷区でも価格競争に突入しており、値下げ販売が日常茶飯事化している。

 そんな中、大規模物件も中小規模物件も総じて好調なのは野村不動産だろう。同社の物件については、今年に入って「武蔵野ガレリア」 (379戸) 「プラウドシティ柏」 (345戸 ) 「プラウドシティ梅島」 (335戸)の大規模物件のほか、「プラウド成城」 (129戸) 「プラウド新百合ヶ丘」 (32戸 ) 「プラウド千早町」 (30戸 ) などを見学した。

 これらの物件に共通するのは、「梅島」を除き住宅地としてのポテンシャルが高く、地域の民力にマッチした、というよりはアッパーミドルの需要を引き出す差別化が徹底してなされていることだ。

 例えば「柏」。柏駅圏は、今年の地価公示でも上昇地点がいくつかあったように、県内でももっとも住宅地として人気が高いエリアだ。同社は昨年、坪単価 190 万円近い千葉県下のプラウド<Vリーズ第一弾「プラウド柏」で圧倒的な人気を呼んだことがあるが、駅近の住宅地という立地もさることながら、基本性能、設備仕様、セキュリティ、ユニバーサルデザインなど、あらゆる面で徹底した差別化を行っていた。今回の「プラウドシティ柏」も、坪単価は同じ沿線の南千住、金町、亀有などの大型マンションの坪単価が140万円台であるのに対し160万円台とかなりの高額だが、販売は順調に進んでいる。他の物件と比べてもその質の高さは一目瞭然だ。

 「武蔵野」はデザインが抜群だし、「梅島」は価格志向が強い伊勢崎線沿線の物件としてはトップクラスの質が確保されているといえる。「成城」の質も高く、苦戦を強いられている小田急線沿線の中で大健闘している。

 「新百合ヶ丘」も「千早町」も、住宅地として恵まれている立地条件のうえに、しっかりした作りこみが行われているという点で大規模物件に劣らない。

 中小規模物件の悩みは広告宣伝に費用がかけられない点だが、「新百合ヶ丘」は折り込みチラシ広告だけで約200件の反響を呼んだ。競合しそう物件と比べても質の差が歴然としている。同社は同駅圏でこれまで数物件を供給しており、ユーザーのニーズを知悉しているのも企画・販売に生かされているようだ。「千早町」は、閑静な第一種低層住居専用地域に立地しており、平均価格が5868万円 (坪単価237万円 ) と安くはないが、地下・ 1 階住戸は中庭付きメゾネットとし、最上階住戸はリビング天井高約3・5メートルのハイサイドライト付きとするなどして需要を喚起しているのが目立つ。双方とも子どもとの入浴や半身浴、足湯に便利なシェルデザイン浴槽を採用しているのが特徴だ。

 同社がマンションブランドをプラウド≠ノ統一して 1 年半。文字通り入居者が誇りを持てるナンバー 1 ブランドになりつつある。今年後半も1万数千件の反響があるという「プラウドタワー二子玉川」 (201戸 ) 、同社のマンション事業40周年記念物件「プラウド駒込」 (488戸 ) 、海と森に抱かれたランドスケープが売りという「コットンハーバータワーズ」 (920戸)など注目物件が目白押しで、話題を独占しそうだ。

(牧田 司記者 9月3日)