第25回 RBA野球大会 水曜日ブロック(モンゴル国大使杯) 旭化成ホームズの知将・山本新監督 勝利の方程式完成 「飲んでそのままエアコンを付けっ放しで寝たら声が出なくなった」山本監督 |
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たいした戦略、戦術などありはしないのに他のチームなら「どうしてうちの機密情報を漏らすのだ」と猛抗議しそうだが、優しい旭化成ホームズの知将・山本新監督は「ウフフフ」と笑うだけだろうから旭化成ホームズの戦略を暴露する。今年の戦い方が垣間見えてくる。 この日の試合は新人をたくさん起用し、誰が戦力になるかを試したようだが、はっきりしたのは点を取れるところはがむしゃらに奪い取るという必勝パターンの構築だ。その決意の強さが2回の攻撃でうかがえた。 試合は初回に7点も奪っており、勝敗の帰趨は決していた。ところがだ。2回、この回先頭の新人原田が初回に続き四球で出塁した。次打者は昨年まで1番を打っていた北寒寺。原田は2球目に2盗を決めた。5球目はエンドランか単独スチールか3盗を試みた。そして、スコアでは何番の打者で生還したかは分からないが、内野ゴロで1点をもぎ取っている。 つまり、原田は2番打者として塁に出ることが自分の役割であることをしっかり理解しており、内野ゴロでも還ってこられる走塁をすることがはっきりした。これまでこのような役割は北寒寺が引き受けていたが、今年からは原田がその役割を果たす。 今年から1番を打っている新人横田は長打力もある。この 1 、2番でかき乱し、先取点を取って逃げ切るのが今年の戦略と見た。これは前鈴木監督と基本的には同じだが、山本新監督の1点を取る執念は鈴木監督以上かもしれない。 この勝利の方程式を完成させたことで、山本監督は「ウフフフ」と微笑んでいるにちがいない。
◇ ◆ ◇ ならば、他のチームはこの戦略を逆手に取れば失点を最小限に抑えられる。その第一は原田を出塁させないことだ。いかなる場面でも勝負。四死球は2塁打、3塁打と同じ。仮に出塁させたら、まず1、2球目に走ってくるから盗塁を阻むことだ。3番の北寒寺は原田が盗塁するまで打たないだろうから、思い切ってウエストして原田を刺すか、ど真ん中に投げて北寒寺を追い込む戦法が有効だ。 横田−原田−北寒寺と絶好調の4番久保田。この4人を分断すれば旭化成の攻撃力を半減させることができる。一番やってはいけないのは四死球だ。ミサワ清水は初回に4つの四死球を与え7失点した。恐れず勝負することだ。打ち損じもある。 どこのチームが山本監督の微笑を苦渋に満ちた顔に変えられるか。ここが今年の水曜ブロックの一番の見所だ。その可能性があるのは川崎を擁すオープンハウスか、まだヴェールを脱いでいない横溝のいるリストか、若手の成長が著しいミサワホーム東京あたりでないか。化かしあい≠ノなれば古狸≠フ称号を与えたい鈴木監督の住林にも微かにその可能性があるか。エース石井は肩が痛いのか痛くないのかさっぱり分からない。だんだん鈴木監督に似てきた。 |
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(牧田司記者 平成25年7月6日) |