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 旭化成不動産レジデンス 14棟目の建替えマンション

公園などとの一体開発「アトラス池尻レジデンス」


「アトラス池尻レジデンス」完成予想図

 旭化成不動産レジデンスがモデルルームをオープンした建て替えマンション「アトラス池尻レジデンス」を見学した。昭和38年分譲の「池尻団地」を建て替えたもので、地区整備計画にに沿って隣接する池尻南公園、公開空地、道路整備を一体となって開発したマンションだ。

 物件は、東急田園都市線池尻大橋駅から徒歩6分、世田谷区池尻3丁目に位置する11階建て全205戸(非分譲住戸89戸含む)の規模。専有面積は31.20〜94.76u、価格は未定だが坪単価は340万円前後になる模様。竣工予定は平成26年1月下旬。施工は大成建設。設計・監理はネクストアーキテクトアンドアソシエイツ。販売代理は三井不動産レジデンシャル。

 「池尻団地」は首都圏不燃建築公社が昭和38年に分譲した5階建て3棟125戸(ほかに店舗、事務所、倉庫)の規模で、専有面積は40〜45u。同社が手掛ける建て替え事業としては着工ベースで14例目。マンション建替え円滑化法に基づく組合施行により事業化するもの。地権者が約120名にものぼり、所有権の住宅のほかに借地権分譲された店舗・事務所・倉庫が混在するという複雑な権利関係だったが、地道な合意形成活動により平成22年12月に建替えを決議。昨年9月に本体工事に着手した。

 建物は中庭を囲むように東・西・南向きの3棟を雁行して配置。駐車場を全て地下化し、中庭を中心にコミュニティ施設を設置しているのが特徴。住戸プランでは、ペニンシュラキッチン、独自収納システム、室内物干しなど人気アイテムを採用している。

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 ランドスケープデザインが優れたマンションだ。敷地南側は区の公園が整備され、中庭からその公園が望めるようにしている。植栽は住棟名にも用いられているように楓、紅葉、櫻などを配し、四季の移り変わりが楽しめるよう工夫している。

 建物外観も基壇部に白川石を用い、外壁には縦と横の二丁掛けボーダータイルを貼ることで高級感を演出している。

 単価はやや高いような気がしないわけではないが、これから分譲されるマンションはほとんどが強気な価格設定になるはずだ。同じ駅圏では東急不動産他「クロスエアタワー」もあり、高額住戸の競合は避けられない。高速に面しているが天空公園が整備されたタワーの「クロスエアタワー」を取るか、環境に恵まれたこちらを取るか悩ましい。

  
中庭

(牧田 司記者 2013年3月27日)