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  三菱地所レジデンス 都心のフラッグシップ

「ザ・パークハウス グラン」発売


プライベートスペース(手前がエレベータの内部を想定しており、玄関奥まで御影石仕様になっているのが分かる)

 三菱地所レジデンスは2月18日、同社のフラッグシップマンションと位置づける「ザ・パークハウス グラン」第1弾プロジェクト発表会を行い、第一弾の「ザ・パークハウス グラン南青山高樹町」と「ザ・パークハウス グラン三番町」の概要説明と「南青山」のモデルルームを公開した。

 「グラン」は、マンションの供給が少ない都心の人気立地で、景観、敷地形状などを総合的に判断して同社のフラッグシップにふさわしい最高品質の設備・仕様とゆとりある広さ、最高水準の管理・サポート体制を整えたマンション。

 冒頭挨拶した同社・八木橋孝男社長は、「新しい会社になって3年目を迎えたが、これまで128プロジェクト9,255戸を供給し、87プロジェクト6,491戸を竣工させた。供給量はナンバー一となったが、『グラン』は『ザ・パークハウス』を牽引するフラッグシップにふさわしい最高の設備・仕様と最高の管理を備えたものにした。これからマンション市場は大きく変容するが、高い価値を保持し続けお客さまの評価を得るのがわれわれの使命」と語った。

 瀬川修副社長は「土地があればだが、年間2〜3棟ぐらい供給したい」と話した。


「ザ・パークハウス グラン南青山高樹町」                「ザ・パークハウス三番町」   

◇     ◆     ◇

 「ザ・パークハウス グラン南青山」は、東京メトロ日比谷線広尾駅から徒歩11分、港区南青山7丁目に位置する7階建て全86戸の規模。専有面積は79.37〜164.41u、価格は未定。設計は三菱地所設計。施工は鹿島建設。竣工予定は2014年1月下旬。販売開始は3月下旬。

 第一種中高層専用地域で文教地区に位置する南側道路の整形な敷地形状を利用して、南側に面した61戸については平均100u以上とし、1フロア2住戸のみが利用できる二方向出入口つきのエレベータを設置。ほとんど1邸1基で利用できるようにしている。エレベータを降りると専用使用ができる広さ2畳大のプライベートスペースも設置し、エレベータ−プライベートスペース−玄関床は御影石仕様としている。住戸は完全にPP分離している。

 北側住戸は1階部分にコリドーと中庭を設置することでオープンスペースを確保、さらに住戸を雁行させることでプライバシーの確保も図っている。エレベータは全部で8基設置し、駐車場は地下に80%確保している。

 「ザ・パークハウス グラン三番町」は、東京メトロ半蔵門線半蔵門駅から徒歩5分、千代田区三番町に位置する15階建て全148戸の規模。専有面積は60.68〜134.78u、価格は未定。設計・監理は三菱地所設計、大林組。施工は大林組。竣工予定は2014年8月上旬。販売開始は6月中旬。

 通りに面して約70mの間口がある整形敷地であることから、周囲の街並みと調和させるようにランドスケープデザインに工夫を凝らし、建物は免震工法を採用。床面から天井までのハイサッシも実現した。

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 早合点する記者が悪いのだが、期待が大きかっただけにやや肩透かしを食らった気持ちだ。同社が八木橋社長も瀬川副社長も出席する「グラン」の記者発表会を行うと聞いてこれはもう三井不動産レジデンシャルの「パークマンション」に挑戦状を叩きつけるに違いない≠ニ思った。会場に着いてももそれを確信していた。報道陣は約30人。同社関係者は約20人。相当力が入っていると思った。

 最初に説明された「南青山」は、確かに最高の立地だ。東京女学館が近接し、「広尾ガーデンヒルズ」、億ションの金字塔三井不動産レジデンシャル「麻布霞町パークマンション」、設備・仕様はこの「麻布霞町パークマンション」と同レベルかそれ以上の三菱地所レジデンスの「パークハウス麻布霞町」も近くにある一等地だ。

 しかし、同社の「グラン」のコンセプトは、現時点での同社の最高の仕様と管理で都心部の「ザ・パークハウス」を牽引していこうというもので、必ずしも「パークマンション」に対抗するものでもないということのようだ。億ションが飛ぶように売れる時代ではない。冷静に考えれば同社がそんな無謀なことをするはずはない。

 そんなことを考えながら、単価を予想した。同社は価格については一切明らかにしなかったが、平均坪単価は600万円はしないと読んだ。設備・仕様では玄関ドア、床、壁、建具などにチークの突き板を使用し、1邸1基のエレベータ、ワイドスパンで完全PP分離のプランは魅力的だが、25戸ある北側住戸は坪500万円でも高いかもしれない。「パークハウス麻布霞町」と比較は出来ない。

 まだモデルルームができていない「三番町」も「南青山」と同レベルの仕様だとすれば、やはり坪500万円はしないのではないか。

 ただ、第2弾として計画している「千鳥が淵」には期待したい。三井不動産レジデンシャルの「千鳥が淵」に挑戦してほしい。三井不動産レジデンシャルの「パークマンション」は2000年以降13物件が供給されている。年1件のペースで群を抜く。消費税も金利も関係ない飛びぬけた富裕層向けのマンション事業は三井が独走している。追走するのは三菱しかないと考えるがどうだろう。


「ザ・パークハウス グラン南青山高樹町」 

(牧田 司記者 2013年2月18日)