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 「成長」「飛躍」「前進」−明るいムードに包まれた

 不動産協会とFRKの平成25年新年賀詞交歓会

参加者は昨年より10%増


挨拶する木村不動産協会理事長(ホテルオークラで)

 不動産協会(理事長:木村惠司三菱地所会長)と不動産流通経営協会(理事長:袖山靖雄東急リバブル取締役相談役)の平成25年新年合同賀詞交歓会が1月8日、都内のホテルで行われた。民主党政権から自民・公明党による安倍新政権が誕生したことを受けて、参加者は昨年の約840名から約920名に増加、「明るい年」「成長」「飛躍」「前進」などの声が飛び交い、これまでの鬱憤を晴らすかのような明るいムードに包まれた。

 冒頭、挨拶に立った木村理事長は、「昨年は安倍新内閣の誕生によって金融緩和が打ち出され、株高に象徴されるように大きな転換期を迎えている。また、年末年始の商業施設も売り上げが伸びており、明るい予感、高揚感が満ちている」としながらも、「安倍新政権は金融緩和と機動的な財政政策、内需を中心とする成長戦略の3本の矢で経済の再生に当たっていくということだが、実体経済にどう結びつくか注視しなければならない」と慎重な構えも見せた。

 また、税制、雇用、社会保障などの問題については「生産人口比率がどんどん下がっていく将来の日本の姿を見据えてイノベーションする必要がある」と抜本的な改革を求めた。

 不動産マーケットについては「マンションは堅調に推移しているが、住宅着工はまだまだ増やせる余地がある。オフィスは、昨年後半になって需要が増え空室率は下がってきており、賃料についても底入れ感が広がっている」とし、消費税問題については「5%を超える部分については消費者の負担が増えないように還付することを(政府に)お願いしている」と語った。

 さらに都市問題について「アジアの核となるような魅力的な街づくりを進めなければならない」とし、安心・安全や環境問題への取り組みの強化について述べ、海外進出についても「ノウハウ、英知を結集して不動産事業が輸出できるよう協会としても支援していく」と語った。

 乾杯の音頭を取った袖山理事長は「流通事業は震災後落ち込んでいた取引件数は戻ってきているが、取引価格は緩やかな下落が続いている。政府が規模の倍増を打ち出した成長戦略に沿ってさらに安心・安全の取引の実現を目指す」と話した。


袖山FRK理事長

◇     ◆    ◇

 今回の賀詞交歓会の取材の目的は、不動産業界の経営者・幹部が何を話し、何を期待しているかを探ることだった。安倍新政権に代わって多少は明るい声が聞こえるのではないかと期待していたが、それは予想をはるかに超える「そこまでノー天気でいいのか」と思えるぐらい明るかった。以下、各氏の一声を紹介する(順不同、カッコ内は記者のコメント)

 太田昭宏国交大臣 「皆さん(不動産業界)が困ることは絶対にやらない」(3年4カ月にも及ぶ浪人生活を強いられたせいか、顔は真っ黒でまるで選挙演説のように、街づくりや土地の活性化、税制などについてまくし立てた)


太田国交大臣

 岩沙弘道・不動産協会会長(経団連都市・地域政策委員会委員長、三井不動産会長) 日本再生元年

 菰田正信・三井不動産社長 成長の年

 神山和郎日本住宅建設産業協会理事長(日神不動産会長) 工事代金が高くなってきた。今年はそんなによくはならない。まあ、助走期(業界の立場を代弁)

 三木亨・三交不動産常務(マンション事業本部長) マンションの安定供給。土地の仕入れは吟味している

 森本浩史・三交不動産東京支店支店長 今年初めにおおたかの森で坪単価140万円の大規模マンションを分譲する(圧倒的な単価の安さがある。「羽村」の再現必至)

 島田和一・タカラレーベン副社長 更なる太陽光の推進。「新川崎」はいいよ(1次取得向けのマンションが絶好調)

 大栗育夫・長谷工コーポレーション社長 前進。その流れを大きくする

 中村康廣・長谷工アーベスト専務 お客さま(デベロッパー)に信頼されること。真の販売力を発揮する年

 赤津新英・エー・ディー・ワークス顧問 脱皮の年

 正木条・三井不動産リアルティ執行役員 これまで拡大戦略を維持してきた。今年はそれが実を結ぶ年

 高田哲臣・三井不動産リアルティ監査役 光が当たる年


高田氏(左)と赤津氏=写真をせがまれて撮った

 西名弘明・オリックス不動産会長  10年ぶりか、いや、リーマンショック後だから4年ぶりか。復興する年になる。いい流れになる

 三浦保徳・総合地所常務 儲かる年にしたい(RBA野球でも本業並みにがんばってほしい)

 三川卓・住友林業木化推進室長 木造の年。これからの時代は木造

 渡邉文孝・住友林業リノベーション営業部長 現段階では街の再生まではちょっと難しいが、戸建ての再生を進める。耐火、準防火の規制が厳しすぎる(仰るとおり。建基法の改正を行うべき)


参加者は昨年の約10%増の920人

 平田恒一郎・ナイス社長 はばたく年

 金畑長喜・野村不動産アーバンネット社長 大きく成長する年。これは当社も業界もという意味

 堀江賢二・野村不動産アーバンネット上席執行役員 今年は売れるよ(相変わらず元気)

 高井基次・大和ハウス工業上席執行役員&山根弘美・高層住宅管理業協会理事長(ダイワサービス社長) 今年もよろしく(この二人からは当分目が離せない、と書いたら、早速、山根理事長は太田国交相に直接会って要望を行っている)

 上田順三・オークラヤ住宅会長&藤本凱也・同社社長&鈴木茂樹同社取締役 お世話になっております(お三方から声をかけていただいた。 RBA野球だけでなく本業の取材をさせていただきたい)


乾杯の音頭を取る袖山FRK理事長

(牧田 司記者 2013年1月8日)