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三井不動産レジデンシャル・野村不動産「キャピタルゲートプレイス」

記録的な高単価マンションの第1期販売戸数322戸


「キャピタルゲートプレイス」完成予想図

好調マンション市況を反映

 三井不動産レジデンシャルと野村不動産は6月25日、中央区月島1丁目の駅直結53階建て大規模再開発マンション「キャピタルゲートプレイス」(702戸)の第1期販売を6月29日(土)から開始すると発表した。第1期分譲は販売戸数495戸の65%で、坪単価300万円を越える高額マンションしとてはリーマン・ショック後では最多販売戸数となる。人気になるのは必至だ。

 物件は、東京メトロ有楽町線・都営大江戸線月島駅から徒歩1分、中央区月島1丁目に位置する53階建て全702戸((事業協力者住戸207戸含む)の規模。専有面積は40.12〜114.43u、第1期の価格は3,750万〜16,930万円(最多価格帯4,200万円台・7,800万円台)、坪単価は330万円。竣工予定は <ザ・タワー> が平成27年7月中旬、<ザ・レジデンス> が平成25年8月下旬。設計は安井建築設計事務所・清水建設。施工は清水建設。

 特徴は、@月島駅直結・徒歩1分A地上約187m・53階建ての商住一体の複合再開発Bランドマーク性と地域に調和したデザインを両立した外観・共用空間デザイン、照明計画Cスカイラウンジやウェルネススタジオなどの充実した共用部とソフトサービスD東京都マンション環境性能表示、全項目で最高評価の三つ星−など。

 発表会に臨んだ三井不動産レジデンシャル都市開発一部長・山田貴夫氏は、「駅直結の高いポテンシャルを持ったマンション。忙しい人の時間を大切にする人向けにプランを練ってきた。予想以上の反響で、問い合わせは昨年の11月以降で9,000件を越え、4月からの来場者は2,500件を超えている。第1期の戸数は分譲戸数の6割を超える322戸だが、登録即日完売できる」と語った。

 また、野村不動産住宅事業部プロジェクト事業推進部副部長・笹本和孝氏は、「平成17年に事業参画してから竣工までを含めると約10年の時間をかけるプロジェクト。200名を越える地権者やコンサル、地元とも一緒に作り上げた。特別の想いがある」と述べた。

  
                           外観                            

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 記者はデザインに惚れ込んだ。外観デザインは三井不動産レジデンシャルのマンションを多く手掛けている建築家の添田浩氏。白を基調にアクセントカラーとして「ヴァンダイクブラウン」のマリオンが実に美しい。思ったとおり、「ヴァンダイクブラウン」はあの中世の宮廷画家が好んだ色に由来する。とにかく品がある。基壇部のデザインがまたいい。

 頭頂部の「フライングコーニス」もいい。頭頂部のデザインでは記者はオリックス不動産の「お台場」のティアラに惚れ込んだことがあるが、今回のデザインは気品がある。ライティングデザインは武石正宣氏が担当し、時間の経過や季節の移り変わりによって表情をかえるという。


外観

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 まず、第1期の販売戸数の多さ。断定はできないが、おそらく坪単価300万円を越える高額マンションで一挙に322戸も供給するのはリーマン・ショック後ではこのマンションが初めて。三井不動産レジデンシャル「飯田橋」は単価が476万円だが、第1期は255戸だし、野村不動産「武蔵小杉」の第1期は310戸だが、単価は300万円を切っている。リーマン・ショック前にさかのぼってもこれだけ一挙に販売したマンションはそうないはずだ。この戸数と単価だけでもこのマンションりの人気の高さがうかがえる。

 分譲単価について。記者は坪単価は300万円をはるかに突破するだろうが、350万円はないと見ていたがその通りとなった。ユーザーも「安い」と考えているかどうかはともかくリーズナブルと考えているだろう。億ションは17戸。これにも納得だ。月島も勝どきも富裕層が好んで億ションに住むエリアだとは考えづらいが、ここは「大川端リバーシティ」の入居者が検討しているという。設備仕様はこの単価レベルにある。

 物件のネーミングについて。「キャピタルゲートプレイス」も分からないではないが、キャピタル≠ヘ「キャピタル マークタワー」があるし、過去には中堅デベロッパーの「キャピタルマンション」がたくさん供給された。かといって「キャピタルゲインマンション月島」では公取協から呼び出しがかかるのは間違いない。いっそのこと三井不動産レジデンシャルのブランド「パークタワー」と野村不動産のブランド「プラウド」をくっつけ「パークタワー プラウド月島」とでもしたらどうだろう。語呂もいい。ずっと記憶に残るだろうし、両社の幹部も「面白いじゃないか」とOKを出したのではないか(そんなわけはないか)。最近のマンションは横文字が多すぎてどこのマンションかさっぱり分からない。

 事業比率について。両社は「事業比率は非公開」としているが、監事会社は三井不レジ。建築家の添田氏は三井不レジのマンションを多く担当している(野村不動産はないのではないか)。モデルルームのキッチンなどは明らかに三井不レジ。 72 uのモデルルームには「土間」が付いているが、これは野村不動産が「中野」で好評だった土間付きと少し似ている。 このことから事業比率を推測していただきたい。


ザ・ガーデン

(牧田 司記者 2013年6月25日)