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 マンション管理業協会が総会

「コミュニティ不在は災害時の被害を増大させる」山根理事長


山根理事長(写真提供:不動産流通研究所)

 マンション管理業協会(理事長:山根弘美・ダイワサービス社長)は5月22日、第34回定時総会を開き、平成24年度事業報告、同収支決算を承認し、新役員などを選任した。副理事長を退任した池田孝氏(前三井不動産住宅サービス会長)、土橋隆彦氏(前東急コミュニティ会長)の後任には小佐野台氏(日本ハウズイング社長)、関敏昭氏(野村リビングサポート社長)を選任した。

 総会後の懇親会で挨拶した山根氏は、「様々な枠を超えたチャレンジ精神こそが住生活総合サービス業を目指す業界の価値・評価を高めていく。そのために第一に法令順守。違反件数は減ってはいるが道半ば。さらに強化していく。第二は安心・安全・快適の取り組みだ。マンションの耐震診断の取り組みを一層強化する。コミュニティ形成については今年に入って2度マンション適正化法の改正について国交省に要望活動を行なった。地域コミュニティとマンションコミュニティが連携することがきわめて重要で、われわれ業界も全面的にサポートしていく。活動を担保するためにもマンション標準管理規約の改正をお願いしたい」などと語った。

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 山根氏は自らの住むマンションにもついて触れ、マンションコミュニティ形成の難しさ、重要性について訴えた。山根氏は「私の家族は博多ですが、18年間、単身赴任で東京に住んでいます。 500戸の大規模超高層マンションに賃貸で住んでいますが、皆さん、表札、メール受けに名前を出している人は何人いると思いますか」と問いかけ、「一人だけです。山根弘美という男だか女だか分からない名前だけです」と笑わせた。

 山根氏は、「マンションのセキュリティはどんどん高まっているが、その結果、誰が住んでいるかも分からないコミュニティ不在という皮肉な状況を招いた。コミュニティ不在は災害時の弱者となる高齢者や乳幼児、子どもたちの被害を増大させる。未来の子どもたちのためにもわれわれは何ができるかを考えないといけない」と呼びかけた。

 全国590万戸のマンション居住者の安心と安全を守るための業界の活動が益々重要性を増す。命綱の役割を果たすかもしれない。

(牧田 司記者 2013年5月23日)