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三井ホーム新商品「cafe+( カフェ・プラス)」を発売

トレンドリーダーなママに訴求


外観パース

 三井ホームは4月11日、新商品発表説明会を開き、注文住宅企画型新商品「cafe+( カフェ・プラス)」を4月13日(土)から沖縄を除く全国で発売すると発表した。

 同商品は、子育て期にある30歳代の一次取得者を主な対象とした新商品で、子育てママは「自分の時間と有効なスペースがあったら何に使うかという問いに対し、子どもが未就学以下でも子どもが小学生以上でも友人、お客様が使うもてなしの場とする答えが2番目に多いことに着目。そこで、コストパフォーマンスに優れたブランとするとともに居場所としてのカフェ≠提案した。30のベースプランに「ウェルカム・カフェ」「タタミ・カフェ」「クラフト・カフェ」「フィットネス・カフェ」「ブック・カフェ」の5つのカフェスペースを設置。5つのスタイルにそれぞれ2つの形状や大きさの異なるプランを用意することで無限大のライフスタイルに対応できるのが特徴。「カフェスペース」は1.5〜3.5畳大。

 発表会に臨んだ長谷裕・専務取締役は「当社がこれまで弱かった一次取得層向けの30歳代の子育てファミリーがターゲット。2,000万円から2,500万円の受注比率はは現在約26%。この層向けは競合も厳しいが、コストパフォーマンスが高い商品なのでお客様に支持されるはず」と語った。

 プロトタイプの参考価格は延床面積約146u(44坪)で24,825,150円(坪単価56万円)。太陽光発電、蓄電システムなどはオプション。販売目標は年間300棟。

     
ウェルカム・カフェ             タタミ・カフェ                     クラフト・カフェ 

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 同社が新商品を発表すると聞いて、間違いなく第一次取得層をターゲットにした低価格の商品だろうとおもった。その通りだった。なぜ、そう考えたかだが、同社を含めハウスメーカーの取材は多くはないが、どうして2×4トップの全国区の「吉永小百合」の三井ホームは単価の低い商品をあまり供給しないのか不思議に思っていた。三井不動産レジデンシャルは億ションの「パーク・マンション」もあれば、基本的に一次取得層向けの「パークホームズ」、さらにはコンパクトの「ハークリュクス」まで揃えている。三井ホームがアッパーミドルや富裕層向けに特化するというのは記者は理解できない。吉永さんは富裕層にぴったりだが、なかなかどうして庶民的な方だし若年層にも人気のはずだ。

 記者団からは、「これまで高級路線を歩んできたが、路線変更ではないか」「消費税の駆け込み需要を狙っての商品か」「この商品のシェアを伸ばすのか」などの質問が相次いだ。その都度、長谷氏は「路線変更ではない」「消費税の駆け込みが結果として出るかもしれない」「この商品だけを伸ばすのではない」と応えた。これまた当然だ。競争が厳しい第一次取得層向けに注力して他を減らしたら意味がない。ここは三井ブランドを生かして従来弱かった分野も伸ばそうという戦略に間違いない。

 同社によると、フリーの注文住宅と企画型注文住宅の受注比率はおおよそ7:3だという。フリーは平均43坪で坪単価は約81万円、企画型は35坪で坪単価は66万円だ。今回はさらに安い単価で受注増を狙う。

      
フィットネス・カフェ                   ブック・カフェ

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 この種の商品はかつてUR都市機構が「αルーム」として舗道に面したマンションの1階に設けたことがある。広さは6畳大ぐらいあった。店舗は禁止だが、習い事やギャラリーなどを想定したものだった。最初のうちは入居者はその条件に沿った使い方をしていたが、そのうちにほとんどやらなくなった。

 これは、分譲時に抽選で購入者を決めたことに問題があった。購入するのが最優先になったため、周辺の居住者とのコミュニケーションを図る目的の人が必ずしも購入できたわけではなかったからだ。

 今回の同社の新商品は、需要はあると思う。同社も想定しているように街のトレンドリーダーなママに訴求できれば息の長い商品になるはずだ。

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 記者発表会でおいしい「DeLonghi(デロンギ)」のコーヒーがもてなされた。そんじょそこらのまずいコーヒーではない。もちろん「cafe+( カフェ・プラス) 」の発表会にあわせた同社の粋な計らいだ。これにも驚いたのだが、記者団もいつも通りたくさん詰め掛けた。40〜50人ではなかったか。そこで4月1日付で常務執行役員に就任した前三井不動産広報部長・山本実氏に聞いたが、山本氏も「びっくりした」とその記者団の多さに驚いた。

 デベロッパーもたまにはおいしいコーヒーでも振舞えばもっとマンション見学会の人数が増えるかもしれない。

(牧田 司記者 2013年4月11日)