三井不動産レジデンシャルは10月23日、江東区東雲1丁目のタワーマンション「パークタワー東雲」のモデルルーム見学会を開き、第1期販売を11月中旬に開始すると発表した。同社のマンションスマート化ビジョン「レジデンシャルスマート」のモデルプロジェクトとして、エネルギー・モビリティ・パッシブの3つのハードとソフトのコミュニティデザインを取り込んだ環境共創プログラム「グッドサイクルデザイン」や複層防災プログラムなど、見所の多い物件だ。

　物件は、東京臨海高速鉄道りんかい線東雲駅から徒歩7分、江東区東雲一丁目に位置する43階建て全583戸の規模。専有面積は55.37〜90.35�u。竣工予定は平成26年1月。設計・施工は清水建設。1期（戸数未定）の価格は2,978万〜6,960万円（予定最多販売価格帯4,900万円台）、坪単価は230万円前後の予定。9月15日から事前内覧会を開始しており、これまで資料請求約4,600件、来場者約1,000組の反響がある。

　ハード・防災面での物件の特徴は、清水建設の免震・ＳＩ構造を採用し、同社としては2物件目の長期優良住宅認定を取得。東京都のマンション環境性能評価制度でも満点の星3つ（星15個）を取得している。さらにマンション最大級の約96kwh大容量蓄電池、超高層マンション最大級の約76kw高出力太陽光発電設備、346kw非常用発電設備を備え、非常時のライフラインの確保を図る清水の「マイクログリッドシステム｣をマンションに初めて採用する。また、NPOプラス・アーツと連携した「防災対策監修」や無印良品の「自助活動の啓蒙」も行う。

　躯体中央に光と風を縦方向に導く「エコボイド」を設置し、5〜6層間隔に配置された6カ所の「ソラプラザ」「ソラテラス」によって外気を取り込み、「エコボイド」に上昇気流を発生させる仕組みだ。どれぐらいの冷暖房費の軽減につながるかは不明。

　住戸プランでは階高が3,400ミリで、天井高は2,650ミリ以上などが特徴。

スカイドッグラン

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　先日の大和ハウスの記者発表会で堀常務は「業界初」を6回発言したが、今回のマンションは少なくとも「業界初」が6項目以上あると思われる。列挙してみる。

　�@大容量の電源確保。これほどの量を確保しているマンションは他にない。「大容量蓄電池」「高出力太陽光発電」「マイクログリットシステム｣に分ければ、これだけで3つの「業界初」になる。

　�AEVとマンションのモビリティデザインを構築したのも業界初。

　�B「エコボイド」「ソラプラザ」「ソラテラス」。群馬県庁はこのような構造になっているようだし、隣接するURの「東雲」にもこのようなものがあったと記憶しているし、公共住宅にも似たような仕掛けを見た。また、オリックス不動産の「サンクタス川崎タワー」には各フロアにパティオが設置されていたので、業界初といえるかどうかは微妙だが、上昇気流を起こす仕組みは面白い。

　�Cスカイドッグランの設置。リゾートマンションの1階部分に設置されていたのを見たことがあるが、都心部のタワーマンションにこのような施設を設置したのはおそらまく業界初だ。広さはマンション8戸分もあった。「ソラプラザ」「ソラテラス」は16戸分だからこれだけで合計24戸分に相当する広さだ。

　�D長期優良住宅認定と都のマンション環境性能表示で満点の星3つ。これは同社の「六本木」でもそうだったので業界初とは言えないかもしれないが、2つ目という点では業界初だ。

　�Eプロモーションビデオにアニメ採用。同社関係者によると、他にも同じようなのが1物件あるかもしれないということだったが、記者は初めて見た。総合地所の「泣かせるビデオ」にも驚いたが、アニメにもびっくりした。コストはどちらが高いかは聞かなかった。

　このほか、同社の「豊洲」にも「スモーキングルーム」があるようだが、ここには約10�uの「シガーバー」がある。賃貸マンションでは、三菱地所レジデンスの「東新宿」にも立派なスモーキングルームがついている。

ソラプラザ

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　このマンションの分譲開始によって周辺物件との競争が激化するのは避けられない。野村不動産の「東雲」、正友地所の「湾岸」などや、同社の「豊洲」、単価の差はあるが��中央区アドレスで質も高い三菱地所レジデンス「晴海」もある。これ以外も計画があり、湾岸戦争は当分続く。

風光庵「茶室」（リシャール・ブリア氏がデザインすると茶室もこうなる）