RBA HOME> RBAタイムズHOME >2012年 > プレハブ建築協会「エコアクション 2020」発表 2020年の新築戸建のCO2排出量を50%削減 プレ協の記者発表会 |
プレハブ建築協会は6月5日、持続可能な社会の実現に向けた「低炭素社会」「循環型社会」「自然共生社会」の構築を目指した環境行動計画「エコアクション 2020」を策定し、新築戸建は、居住段階におけるCO2排出量を2010年比戸当たり50%削減すると発表した。 「エコアクション 2020 」は、昨年5月、2020年に向けた理念と行動指針を取りまとめた「環境行動宣言」を発表してからその具体的な施策を検討してきたもので、@新築戸建住宅は「ZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス」の普及促進を見据えたCO2削減目標A既存住宅におけるCO2削減・再資源化に関する目標設定B持続可能な木材調達や緑化推進など生物多様性保全に関する取り組み−が骨子となっている。 新築戸建のCO2排出量については、これまでの省エネ・創エネの取り組みを進めてきた結果、2010年にはネットCO2排出量は1990年比37%減の2,330s -CO2(CO2排出量2,961s−創エネによるオフセット量631s)となっており、今後、CO2排出量を19%削減し、創エネによるCO2オフセット量を2010年の631s -CO2から2倍の1,254s-CO2 に拡大することで50%削減を実現するとしている。政府は2030年までに新築住宅の平均でZEHを実現するロードマップを公表しており、その目標値から50%削減を打ち出したものだ。 また、既存住宅のCO2削減取り組みでは、省エネ改修工事、窓断熱改修工事により2010年比2倍(年間38万件)、高効率給湯関連機器への改修や再生可能エネルギー利用システムの設置工事などで2010年比5倍(年間6万件)に拡大するとしている。 循環型社会の構築に向けた取り組みついては、工場生産や現場施工段階での廃棄物の削減や再資源化の取り組みを強化し、2020年の再資源化率を工場生産100%、現場施工95%、改修80%、解体90%に向上させるとしている。 自然共生社会の構築に向けた取り組みでは、森林保全に配慮した木材調達を推進し、緑化に配慮した建売住宅の供給比率を70%に向上させるとしている。 ◇ ◆ ◇ CO2削減は待ったなしの重要課題だが、記者は自然共生社会の構築、つまり森林・林業の再生も喫緊の課題だと思う。政府は木材の自給率を向こう10年までに現行の27%から50%に引き上げようと様々な取り組みを行っているが、この課題に対するハウスメーカーの果たす役割は大きい。 残念ながら、今回の「エコアクション2020」は、具体的な国産材の利用などには触れていない。森林の荒廃と林業の衰退は農業や漁業にも深刻な影響を与え、やがては社会や文化の崩壊につながる。業界をあげてこの問題に取り組んでほしい。 |
(牧田 司記者 2012年6月5日) |