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後姿が美しい 大和ハウス工業「プレミスト神楽坂」

 
「プレミスト神楽坂」完成予想図(右は夜景)

 「後姿が美しいマンションがいいマンションだ」−−これはある建築家の言葉だが、この言葉通り北側の表情が美しいマンションを紹介しよう。大和ハウス工業の「プレミスト神楽坂」だ。

 物件は、東京メトロ東西線神楽坂駅から徒歩6分、新宿区西五軒町に位置する9階建て全71戸の規模。専有面積は40.88〜97.23u、現在分譲中の住戸(8戸)の専有面積は56.87〜73.16u、価格は5,280万〜6,470万円(最多価格帯5,000万円台)、坪単価約300万円。施工は熊谷組。竣工予定は平成24年1月下旬で、入居予定は平成24年3月。設計・監理はティー設計工房一級建築士事務所。

 今年5月から分譲されており、最上階のメゾネットなど高額住戸を中心に約7割が契約済み。順調な売れ行きだ。

 完成予想図で分かるように、物件の広告、パンフレットなどには北側の表情が真っ先に紹介されている。外観は、斜線制限など法令上の制限でそうなったのだが、平板なものと凹凸のあるベージュのタイルが用いられており、縦ラインの壁と勾配屋根の横のラインの構成が印象的だ。その表情はどこか図書館など公的建築物に多く用いられたクラシックな建築様式を思わせる。シンボルツリーには鹿児島から取り寄せたヒメユズリハを植樹するという。

 このほか、植栽計画、デザイン・意匠に細部までこだわっているのが特徴だ。敷地南側は前面に建物があるため、目隠しとしてシマトネリコとシラカシを交互に植樹。西側にはシラカシとサルスベリを配している。エントランスホールには、変わり格子と縦格子を組み合わせ、和とモダンを演出している。


格子のドア

◇    ◆    ◇

 マンションの商品企画などのプロデュースを担当しているのは、同社東京支店マンション事業部第三営業所 シニアプロデューサー・金城智杓氏(30)だった。

 金城氏とは、同社が昨年分譲した「プレミスト日本橋浜町リデアル」の販売事務所で会った。立地環境に難点があった物件だが、高いデザイン性などでその敷地の価値を最大限に引き出し、早期完売を果した。商品企画に込める熱意が物件にしっかりと伝わっていた。

 今回の「神楽坂」も同様だ。金城氏は「周辺の物件情報は全て収集し、設備仕様などはどこにも負けないものを盛り込んだ。絶対的な自信がある」と強調した。物件の近くには建築家の隈研吾氏がデザイン監修した三井不動産レジデンシャル「パークコート神楽坂」があるが、隈氏のデザインの特徴でもある格子をしっかり取り込んでいた。金城氏は「ちょっと参考にしたところもある」と笑ったが、何ごとも最初は真似ることから始まる。

 真似るだけではなく、独自のアイデアも盛り込んでいる。キッチン天板と洗面化粧室のカウンタートップは木目調のメラミン化粧板を採用し、他の家具・面材と統一することによって「キッチンも家具のように見せる」ようにしている。ドアの把手は、手の跡が目立たないようマット仕上げにしている。これも金城氏のこだわりだ。

 金城氏が担当しているもう一つのマンション「プレミスト千代田御茶ノ水」(29戸)も残りわずかだという。


モデルルーム(LDK)

販売所長もハイレベル 大和ハウス「プレミスト日本橋浜町」(2010/3/3)

「神楽坂『赤城の杜』プロジェクト完成 三井不レジデンシャルが見学会(2010/8/20)

(牧田 司記者 2011年11月28日)