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野村不動産「プラウド上原」 垂涎の的の低層3階建て


「プラウド上原」完成予想図

 

 早川和男・神戸大学名誉教授が「東日本大震災後の提言」として「集合住宅は3階以下にする」と主張していることは当欄で紹介した。記者は、この主張は現実的でないと考えるが、「個人的には低層マンションが好き」と書いた。その好きな低層マンションを紹介しよう。野村不動産が5月中旬に分譲する「プラウド上原」だ。

 物件は、小田急線代々木上原駅から徒歩8分、渋谷区上原2丁目の第一種低層住居専用地域(容積率150%)に位置する地下1階地上3階建て全58戸の規模。専有面積は61.74〜125.11u、予定価格は6,700万円台〜18,900万円台(最多価格帯11,400万円台)。設計は日建ハウジングシステム。施工は奥村組。

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 渋谷区には区域面積の約12%、174haの第一種低層住居専用地域がある。現地の上原2丁目の一角もそうだが、他のエリアを列挙してみると、大山町、神山町、松涛、富ヶ谷1、2丁目、西原1、2、3丁目、鉢山町、初台1、2丁目、広尾2、3丁目、元代々木町などの一角だ。それぞれ高級住宅街として知られているところだ。

 第一種低層住居専用地域は結構あるように思えるが、もっとも多いところとして知られる多摩市はそれでも30%強だし、江東区は準工業や工業地域が50%近く占め、第一種低層住居専用地域はほとんどない。それほど希少なエリアということができる。

 現地は、駅からややあるが、なだらかな坂の上。周辺には立派な戸建てや低層住宅が建ち並ぶ閑静な住宅街。これほどの住宅街はそうない。しかも敷地面積は約1,000坪(約3,356u)。元財務省の官舎跡地だ。隣には興和不動産・三井不動産「ザコート代々木上原」(25戸、2007年3月完成、坪単価430万円)があるが、敷地規模は約1,600 uだ。敷地規模だけでもこれほどの差がある。デベロッパーにとって垂涎の的の用地といってよい。東大駒場キャンパスにも近い。

 デザイン、設備仕様もいい。外観は黒の横ラインのボーダータイルが印象的で、外周・屋上など緑化が施されている。共用部分はアート・オブジェが壁面にはめ込むように設置される。専有部分にも天然石や天然木がふんだんに用いられており、間違いなく「プラウド」の高級仕様だ。

 ユーザーのために設計会社についても触れておこう。日建ハウジングシステムは住宅に特化した業界トップの設計会社として知られるが、記者はとくに低層マンションの設計では群を抜いていると思っている。マンションの設計をどこが担当したかは大きな物件選択のポイントだ。

  
エントランス                          グリーンギャラリー 

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 単価が単価(400万円を突破する)だけに一般サラリーマンに手が届く価格ではないが、同社は確かな手応えを感じているようだ。

 物件の説明をしていただいた同社広報部マネージャー・北井大介氏は、この4月から広報部に異動したが、前任は都心部のマンション販売を15年担当してきたベテランだ。その北井氏が「永年、都心部を担当してきたが、こんないい場所はそうない。震災後は宣伝を自粛してきたが、おかげさまで本格展開する以前に先(販売の目途)が見えてきた。一部は抽選になるかもしれない」と語っている。最上階のルーフテラス付はとくに価値がある。

  
現地(右が「プラウド上原工事現場)  

(牧田 司 記者 2011年4月25日)