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ポラス 「西新井」の建売住宅29戸 3日間でほぼ完売


販売事務所のみがある現地

 ポラスグループ中央住宅の新春分譲第1弾「フージョン・グレース西新井」が1月9日〜11日の申し込み3日間で全29棟のうち28棟に申し込みが入った。

 物件は、東武伊勢崎線・東武大師線 西新井駅より徒歩11分、足立区西新井本町5丁目の建蔽率60%、容積率200%の地域に位置する全29棟の現場。土地面積は85.1m2〜108.35m2、建物面積は87.35m2〜101.5m2、最多価格帯は4400万円台・4500万円台・4600万円台(各3戸)。入居予定は平成22年6月下旬。

 西新井駅圏は、駅前の再開発エリアを中心にここ数年マンション供給ラッシュが続いており、リーマン・ショック後は苦戦が続いている。マンション単価は坪200万円前後。最近の物件は相場を下げているが、それでも厳しい市場が続いている。伊勢崎線沿線のマンションも同様に、30戸程度の規模でも1年かけて完売できるかどうかだ。

 建売住宅とて厳しい市況が続いているのはいうまでもない。エリアの戸建ての市場を隈なく捕捉している同社マーケティング部から「建物が完成してからでないと売れないエリア。完売まで半年かかるかも」と報告を受けていたことから、販売担当者も覚悟を決めていたという。

 ところが、ネットや車内吊広告の反響が予想外に多く、販売開始の2日間で28戸の申し込み・契約が入った。現地は販売事務所ができたばかりで、先行して着工した住棟が3棟建築中の段階だ。

 販売担当の同社戸建分譲事業部営業企画設計課係長・本堂洋一氏は次のように人気の要因を分析する。

 「当社事業部が都内で分譲するのは2年ぶりで、苦労するとは聞いていましたが、戸建てニーズはあるはずだと思っていました。再開発に隣接するエリアで初めてまとまった規模の戸建てが分譲されるということに対するインパクトが大きかったようです。ネットを中心に反響は100件を突破しました。次世代省エネ基準を満たすなどハードの面での充実にも力を注ぎました。モデルハウスはありませんが、当社の戸建てを見ていらっしゃる方も多いのが特徴です」

 現地は準工地域で、マンションが計画されていたという。嫌悪施設はないが、それほど恵まれた住環境でもなかった。敷地の東側側には3階建てのミニミニ開発が壁のように建っていた。にもかかわらず、モデルハウスができていない段階でたった2日間で28戸も売れたことに記者も驚いた。同社マーケティング部の「完売まで半年かかる」という読みも頷けた。坪単価150万円でマンションを建設していたら、かなり苦戦したはずだ。

 とは言え、同社マーケティング部の予想を覆し、圧倒的な人気になったのも一方では納得できた。商品企画が他を圧倒しているからだ。

 その一つひとつは紹介しないが、同社がこれまで培ってきたノウハウが全て注ぎ込まれている。1階の天井高は 2.7 メートルだし、スキップDEN、ミセススタイルプランもあった。同社では当たり前だが、出隅はアール仕上げ。外構には牧歌フェンス、ジオグリーン、ベンチも設置されている。

 少なくとも、東武伊勢崎線で同社レベルの建売住宅を分譲できるデベロッパーはまずいない。なによりもそのことをユーザーが一番知っているからこそ、モデルハウスがなくても売れるのだろう。同社マーケティング部の読みが外れたのは、自社の商品を厳しく評価したためだろうが、記者はもう少し評価ポイントを上げてもいいような気がする。同社の商品企画をもってすれば、多少の立地のハンディを抱えていても売れるだろう。

(牧田 司 記者 2010年1月12日)